子供に英語を教えていると、意外と説明に困るのが「前置詞」ではありませんか?
「Overは『~の上に』だけど、Onとはどう違うの?」「Throughってどういうイメージ?」と聞かれても、言葉だけで説明するのは大人でも難しいものです。文法書を使って理屈で教えようとしても、子供はすぐに飽きてしまいますよね。
そんなパパ・ママの悩みを解決してくれるのが、今回ご紹介する名作絵本『We’re Going on a Bear Hunt(きょうはみんなでクマがりだ)』です。この絵本は、ただ楽しい冒険物語というだけではありません。「上を超える」「下をくぐる」「中を突き抜ける」といった動作が、リズムの良い歌のような文章とともに繰り返し登場します。
子供たちは、家族と一緒に草むらや川を越えていく主人公になりきることで、難しい前置詞の意味を「体感」として自然にマスターしてしまうのです。勉強している感覚はゼロなのに、気がつけば正しい使い方が身についている。まさに理想的な一冊をご紹介します。
ここでは『We’re Going on a Bear Hunt』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
絵本『We’re Going on a Bear Hunt』の基本情報
| タイトル | We’re Going on a Bear Hunt(邦題:きょうはみんなでクマがりだ) |
|---|---|
| 著者・イラスト | Michael Rosen (著), Helen Oxenbury (イラスト) |
| 出版社 | Little Simon; Brdbk版など |
| 対象年齢(目安) | 2歳〜小学校低学年 |
あらすじ
ある晴れた日、お父さんと子供たち、そして犬一匹の家族が「クマ狩り」に出かけます。「大きなクマを捕まえるぞ!」「怖くないぞ!」と意気揚々と歩き出しますが、彼らの行く手には次々と障害物が立ちはだかります。
背の高い草むら、冷たい川、ネバネバの泥、暗い森、そして吹き荒れる吹雪…。彼らはそのたびに「上は通れない、下はくぐれない、突き進むしかない!」と勇気を出して進んでいきます。
ようやくたどり着いた狭い洞窟。そこで彼らが見つけたものとは…? テンポの良い繰り返しと、最後のドタバタ劇が楽しい、スリル満点の冒険物語です。
英語学習のポイント
この絵本が世界中で愛され、英語教材としても優秀な理由は、以下の3つのポイントにあります。
全身で覚える「空間の前置詞」
この絵本の最大の学習テーマは、障害物に出会うたびに繰り返されるフレーズです。親子で実際に手や体を動かしながら読むと効果抜群です。
- We can’t go over it.(上は通れない:手を高く上げて乗り越える仕草)
- We can’t go under it.(下はくぐれない:体を小さくして下をくぐる仕草)
- We’ve got to go through it!(中を突き進むしかない:両手で草や水をかき分ける仕草)
このように動作とセットでインプットすることで、Over, Under, Through のイメージが直感的に定着します。
五感を刺激する「擬音語(オノマトペ)」
英語特有の豊かな擬音語がたくさん登場します。これらはただ読むのではなく、その音の響きを楽しむことがポイントです。
- Swishy swashy!(草が擦れる音:カサカサ!)
- Splash splosh!(水が跳ねる音:バシャバシャ!)
- Squelch squerch!(泥の粘り気のある音:グチャグチャ!)
自信をつける「反復リズム」
物語の大部分は同じパターンの繰り返しで構成されています。最初は親御さんが読んでいても、数回繰り返すうちに子供はパターンを覚え、“We’re not scared!” などの決め台詞を自信満々に一緒に言えるようになります。この「自分でも英語が読めた(言えた)!」という成功体験が、英語好きへの第一歩になります。
読み聞かせ動画
https://youtu.be/098mstZ0ce4?si=gSB3ZI5UkaZ3_09j
日本語訳(全文)
We’re going on a bear hunt.
熊狩りに出かけよう。
We’re going to catch a big one.
大きなやつを捕まえるんだ。
What a beautiful day.
なんていい天気。
We’re not scared.
怖くないぞ。
Uh-oh! Grass!
あ、大変! 草だ!
Long, wavy grass.
長く波打つ草だ。
We can’t go over it.
上は通れない。
We can’t go under it.
下はくぐれない。
Oh no!
ああっ、だめだ!
We’ve got to go through it!
突き進むしかない!
Swishy swashy! Swishy swashy! Swishy swashy!
カサカサ、ガサガサ! カサカサ、ガサガサ! カサカサ、ガサガサ!
We’re going on a bear hunt.
熊狩りに出かけよう。
We’re going to catch a big one.
大きなやつを捕まえるんだ。
What a beautiful day!
なんていい天気!
We’re not scared.
怖くないぞ。
Uh-oh! A river!
あ、大変! 川だ!
A deep, cold river.
深くて冷たい川だ。
We can’t go over it.
上は通れない。
We can’t go under it.
下はくぐれない。
Oh no!
ああっ、だめだ!
We’ve got to go through it!
突き進むしかない!
Splash splosh! Splash splosh! Splash splosh!
ザブザブ、バシャバシャ! ザブザブ、バシャバシャ! ザブザブ、バシャバシャ!
We’re going on a bear hunt.
熊狩りに出かけよう。
We’re going to catch a big one.
大きなやつを捕まえるんだ。
What a beautiful day!
なんていい天気!
We’re not scared.
怖くないぞ。
Uh-oh! Mud!
あ、大変! 泥だ!
Thick, oozy mud.
分厚くて、ねちょねちょした泥だ。
We can’t go over it.
上は通れない。
We can’t go under it.
下はくぐれない。
Oh no! We’ve got to go through it!
ああっ、だめだ! 突き進むしかない!
Squelch squerch! Squelch squerch! Squelch squerch!
ベチャベチャ、グチャグチャ! ベチャベチャ、グチャグチャ! ベチャベチャ、グチャグチャ!
We’re going on a bear hunt.
熊狩りに出かけよう。
We’re going to catch a big one.
大きなやつを捕まえるんだ。
What a beautiful day!
なんていい天気!
We’re not scared.
怖くないぞ。
Uh-oh! A forest!
あ、大変! 森だ!
A big dark forest.
大きくて暗い森だ。
We can’t go over it.
上は通れない。
We can’t go under it.
下はくぐれない。
Oh no! We’ve got to go through it!
ああっ、だめだ! 突き進むしかない!
Stumble trip! Stumble trip! Stumble trip!
ガサゴソ、ドスン! ガサゴソ、ドスン! ガサゴソ、ドスン!
We’re going on a bear hunt.
熊狩りに出かけよう。
We’re going to catch a big one.
大きなやつを捕まえるんだ。
What a beautiful day!
なんていい天気!
We’re not scared.
怖くないぞ。
Oh no! A snowstorm!
あ、大変! 吹雪だ!
A swirling, whirling snowstorm.
ぐるぐる吹き荒れる吹雪だ。
We can’t go over it.
上は通れない。
We can’t go under it.
下はくぐれない。
Oh no! We’ve got to go through it!
ああっ、だめだ! 突き進むしかない!
Hooo woo! hooo woo! hooo woo!
ヒョー、ヒョー! ヒョー、ヒョー! ヒョー、ヒョー!
We’re going on a bear hunt.
熊狩りに出かけよう。
We’re going to catch a big one.
大きなやつを捕まえるんだ。
What a beautiful day!
なんていい天気!
We’re not scared.
怖くないぞ。
Uh-oh! A cave!
あ、大変! 洞窟だ!
A narrow, gloomy cave.
狭くて薄暗い洞窟だ。
We can’t go over it.
上は通れない。
We can’t go under it.
下はくぐれない。
Oh no! We’ve got to go through it!
ああっ、だめだ! 突き進むしかない!
Tiptoe! tiptoe! tiptoe!
コソコソ! コソコソ! コソコソ!
What’s that?
あれは何だ?
One shiny wet nose!
濡れて光る鼻がひとつ!
Two big furry ears!
毛むくじゃらの大きな耳がふたつ!
Two big goggly eyes!
ギョロリとした大きな目がふたつ!
It’s a bear!!!
熊だ!!!
Quick! Back through the cave! Tiptoe tiptoe tiptoe!
急げ! 洞窟を戻れ! コソコソ、コソコソ、コソコソ!
Back through the snowstorm! Hooo woo! hooo woo!
吹雪を戻れ! ヒョー、ヒョー! ヒョー、ヒョー!
Back through the forest! Stumble trip! stumble trip! stumble trip!
森を戻れ! ガサゴソ、ドスン! ガサゴソ、ドスン! ガサゴソ、ドスン!
Back through the mud! Squelch squerch! squelch squerch!
泥を戻れ! ベチャベチャ、グチャグチャ! ベチャベチャ、グチャグチャ!
Back through the river! Splash splosh! splash splosh! splash splosh!
川を戻れ! ザブザブ、バシャバシャ! ザブザブ、バシャバシャ! ザブザブ、バシャバシャ!
Back through the grass! Swishy swashy! swishy swashy!
草むらを戻れ! カサカサ、ガサガサ! カサカサ、ガサガサ!
Get to our front door. Open the door. Up the stairs.
玄関に到着。ドアを開けて。階段を駆け上がれ。
Oh no! We forgot to shut the door. Back downstairs.
ああっ、いけない! ドアを閉め忘れた。階下へ戻れ。
Shut the door. Back upstairs. Into the bedroom.
ドアを閉めて。また上へ。寝室へ。
Into bed. Under the covers.
ベッドに入って。布団をかぶって。
We’re not going on a bear hunt again.
もう二度と熊狩りには行かないぞ。
まとめ
『We’re Going on a Bear Hunt』は、単なる冒険物語ではなく、英語特有の「空間の捉え方」を体全体で楽しめる素晴らしい教材です。
「Over(上を越える)」「Under(下をくぐる)」「Through(中を通り抜ける)」といった前置詞は、机の上で勉強するよりも、リビングで子供と一緒に「Swishy swashy!」と草むらをかき分ける真似をする方が、何倍も楽しく、深く記憶に残ります。
最初はうまく読めなくても大丈夫。動画のリズムに合わせて体を動かしながら、お子さんと一緒に「クマ狩り」のワクワク感を共有してみてくださいね。