英語絵本「Unplugged」

読み聞かせで「プラグを抜こう」。スマホ時代に読みたい英語絵本

こんにちは!

スマホやタブレット、ゲーム機。子どもたちが夢中になる気持ち、すごくよく分かりますよね。新しいことを学べたり、世界中の人と繋がれたり、デジタルな世界には、たくさんの魅力が詰まっています。

でも、その一方で、「たまには外で走り回ってほしいな…」「自然の中で、何かを発見する喜びも知ってほしいな…」なんて、親としてはちょっぴり複雑な気持ちになってしまうことも。

かといって、無理やり取り上げるのも違う気がする。そんな風に、デジタルの世界との付き合い方に、揺れ動いているお父さん、お母さん、きっと少なくないはずです。

今日は、そんな私たちの悩みに、そっと新しい視点をくれる、心温まる一冊の英語絵本『Unplugged』をご紹介したいと思います。

ここでは『Unplugged』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。

お話のあらすじ

主人公は、ロボットのブリップ。彼女は、コンピューターに繋がっている(plugged in)のが大好き。コンピューターの中で、新しいことを学び、楽しいゲームをし、音楽に合わせて踊り、遠い場所を旅して、一日中(all day long)過ごします。

ところが、ある日突然の停電が!その拍子に、ブリップは自分のワイヤーにつまずき(trip over)、ころころと坂を転がり落ち、意図せず初めて「外の世界」へと飛び出してしまいます。

そこは、緑の丘があり、高い木々の森があり、曲がりくねった川が流れる、全く新しい世界。

ブリップは、外の世界でも、新しいことを学び、楽しいゲームをし、音楽に合わせて踊り、遠い場所を旅することができるのを知るのでした。日が暮れて、ブリップはお家に帰り、再びコンピューターにプラグを差し込みます。

さて、再びコンピューターに繋がったブリップの頭の中は、いったいどんなことでいっぱいだったのでしょうか。

Unplugged

英語学習のポイント

この絵本は、対照的な二つの世界を、同じ構造のシンプルな英語で描いているのが特徴です。繰り返しのリズムが心地よく、英語が苦手な子でも、絵を見ながら直感的にストーリーを理解できますよ。

今回は、そんな物語の中から、日常でもよく使う便利なフレーズを2つご紹介します。

all day long

「一日中」「朝から晩まで」という意味で、時間の長さを強調したい時に使う表現です。この絵本では、ブリップがコンピューターの世界に夢中になっている時と、外の世界に夢中になっている時の両方で使われているのが、とても面白いポイントですね。

(例文)
“On sunny days, we like to play at the park all day long.”(晴れた日には、一日中公園で遊ぶのが好きです。)

trip over ~

「〜につまずく」という意味の、とてもよく使われるフレーズです。ブリップが外の世界へ飛び出す、この物語の全てのきっかけとなる、重要なアクションですね。

(例文)
“Be careful not to trip over the cat!”(ネコにつまずかないように、気をつけてね!)

読み聞かせ動画のご紹介

日本語訳

Hello Blip
ハローブリップ

Blip liked being plugged into her computer.
ブリップは彼女のコンピュータに接続されているのが好きだった。

On her computer…
彼女のコンピュータでは…

 

Blip learned new things.
ブリップは新しいことを学びました。

played fun games.
楽しいゲームをしました。

danced to music.
音楽に合わせて踊った。

and visited faraway places…
そして遠く離れた場所を訪れた…

 

all day long.
一日中。

But one day…
しかしある日…

there was a blackout!
停電がありました!

And Blip tripped over her wire!
そして、ブリップは彼女のワイヤーにつまずきました!

 

She tumbled..
彼女は転落した。

all the way..
ずっと。

downstairs..
階下へ

and out the front door.
そして正面玄関の外へ

 

Blip toppled down a steep, grassy hill.
ブリップは急斜面の芝生の丘を転がり落ちた。

rolled through a forest of very tall trees.
非常に高い木の森を転がった。

and drifted down a long, winding river.
そして長い曲がりくねった川を流れ落ちた。

 

Blip was outside.
ブリップは外にいました。

Outside, Blip learned new things,
外では、ブリップは新しいことを学びました、

played fun games,
楽しいゲームをした、

dance to music, and visited faraway places…
音楽に合わせて踊り、遠く離れた場所を訪れました…

 

all day..
一日中..

long.
ずっと。

 

But it was getting late.
しかし、それは遅くなりつつあった。

Blip sailed back up the long, winding river.
ブリップは長く曲がりくねった川へと戻った。

and walked back through the forest of very tall trees,
そして背の高い木々の森を歩いて戻り、

and climbed back up the steep, grassy hill…
そして急な草原の丘を登った。

 

where she said good-bye to her new friends.
彼女は新しい友達にさよならを言った。

Blip walked.. all the way.. upstairs..
ブリップはずっと歩きました 階段の上へ

and plugged back into her computer.
そしてコンピュータに再び差し込まれた。

 

Hello Blip
ハローブリップ

Blip liked being plugged into her computer.
ブリップは彼女のコンピュータに接続されているのが好きだった。

 

But all she could think about..was how great it was..to be..
しかし、彼女が考えることができたのは、それがどれほど素晴らしかったかということだけでした。

unplugged
線が外れたこと

最後に:どっちの世界も、最高!

というわけで、今回はデジタルな世界の住人、ブリップの冒険物語『Unplugged』をご紹介しました。

この絵本が本当に素敵だなと思うのは、「デジタルは悪で、自然こそが素晴らしい」というような、単純な二元論で語っていないところです。

ブリップは、コンピューターの世界も大好き。そして、新しく知った外の世界も、同じくらい大好きになりました。どちらか一つを選ぶ必要なんて、全くなかったんですね。

大切なのは、バランスなのかもしれません。そして、たまには親の方から、「ねえ、今日はゲームをお休みして、一緒に公園でヘンテコな石を探しに行かない?」なんて、声をかけてみる。きっとブリップのように、子どもたちの頭の中は、さっき見つけた虫さんのことで、いっぱいになるかもしれませんよ。

デジタルも、自然も。どっちの世界も、子どもにとっては最高の遊び場。そう思うと、なんだか親の私たちの心も、少しだけ軽くなる気がしませんか。