カメを英語で表現するとき、みなさんは「turtle」と「tortoise」のどちらをパッと思い浮かべるでしょうか。実のところ、この2つには生きている環境や体の特徴にちょっとした違いがあるんです。
今回ご紹介する絵本『Turtle and Tortoise Are Not Friends』は、自分がウミガメかリクガメかという違いだけで意地を張り合い、何十年ものあいだ不器用にすれ違い続ける2匹のカメのお話となっています。
クスッと笑えてどこか愛おしい彼らの姿を通じて、日常で使える素敵な英語表現を楽しく学んでいきませんか。
※ここでは『Turtle and Tortoise Are Not Friends』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
絵本の基本情報
| タイトル | Turtle and Tortoise Are Not Friends |
|---|---|
| 著者・イラスト | Mike Reiss(著)/ Ashley Spires(イラスト) |
| 出版社 | HarperCollins |
| 対象年齢(目安) | 4〜8歳 |
あらすじ
同じ囲いの中で、まったく同時に卵から生まれたウミガメとリクガメ。
最初は最高の友達になれるとワクワクしていた2匹ですが、「ボクはウミガメ(turtle)」「ボクはリクガメ(tortoise)」という甲羅や皮膚の違いに気づいた途端、お互いに「相手とは友達になれない」と思い込んでしまいます。
そのまま囲いの反対側へと歩み去り、別々に暮らし始めた2匹の前に、何十年もの長い月日が流れていきました。ところがある日、囲いの中に転がってきたひとつの大きな赤いボールをきっかけに、事態は思わぬ方向へ動き始めます。
英語学習のポイント
① 【熟語】「work together」で伝える協力のパワー
身動きが取れなくなる大ピンチに陥ったカメたちが、長い年月を経てついに口にするフレーズが「work together」です。直訳すると「一緒に働く」となりますが、日常会話では「協力する」「力を合わせる」という意味でとてもよく使われます。
学校のグループワークや家庭での片付けなど、誰かと一緒に作業をこなす場面にぴったりの表現ですね。
- work together → 協力する、力を合わせる
- “If we work together, we can flip ourselves over.” → 力を合わせれば、ボクたちは自分で元に戻れるんじゃないか。
- “We can finish this cleanup faster if we work together.” → 協力すれば、この片付けももっと早く終わるよ。
② 【熟語】「fast friends」ってどんな友達?
物語のラストを締めくくる「fast friends」という表現ですが、ここでの「fast」は「足が速い」という意味ではありません。「しっかり固定された」という元の意味から派生して、「固い友情で結ばれた親友」という意味になります。
一瞬で仲良くなる「すぐに意気投合する友達」というニュアンスでも使われるため、覚えておくと表現の幅が広がりますよ。
- fast friends → 親友、意気投合した友達
- “And they became fast friends.” → そして彼らは親友になりました。
- “They met at camp and became fast friends.” → 彼らはキャンプで出会って、すぐに大親友になりました。
③ 【語彙・文法】「turtle」と「tortoise」の違いと関係性
物語の終盤、飼育員さんのセリフに “all tortoises are turtles” という印象的なフレーズが出てきます。
英語圏では、主に水陸両用や海に住むカメ全般を「turtle」、陸上だけで暮らすカメを「tortoise」と呼び分けています。つまり、「tortoiseはturtleという大きなグループの一部」という包摂関係になっているわけですね。
日本人が混同しやすい生き物の名前も、このような包含関係を知っておくとスッキリ整理できますよ。
- tortoise / turtle → リクガメ / カメ全般
- “All tortoises are turtles.” → すべてのリクガメはカメの仲間なんだよ。
- “A tortoise lives on land, while a sea turtle lives in the ocean.” → リクガメは陸で暮らし、ウミガメは海で暮らします。
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
“Hello, hello, hello,”
「こんにちは、こんにちは、こんにちは」
And a tortoise popped out of the other.
“What fun I’ll have together,” said the turtle.
“We shall be best friends,” said the tortoise.
“People will call us the terrible turtle twins!”
そして、もう1つの卵からリクガメがひょっこり出てきました。
「一緒に過ごしたらどんなに楽しいだろうな」とウミガメが言いました。
「ボクたちは親友になるんだ」とリクガメが言いました。
「みんなボクたちのことを、恐ろしいカメの双子って呼ぶようになるぞ!」
“I’m a tortoise. A turtle is a horrid beast with rough skin and a hard shell.”
“Well, I am a handsome creature with a hard shell and rough skin.”
「ボクはリクガメ(tortoise)さ。ウミガメなんてザラザラした皮膚と硬い甲羅を持った恐ろしい獣じゃないか。」
「なあに、ボクは硬い甲羅とザラザラした皮膚を持つハンサムな生き物だよ。」
“I guess we can’t be friends. It just wouldn’t make sense,” said the tortoise.
And so the turtle and the tortoise walked to opposite sides of the pen.
「ボクたちは友達になれそうにないね。筋が通らないもの」とリクガメが言いました。
そして、ウミガメとリクガメは囲いの反対側へと歩いていきました。
“In here we have a turtle and tortoise. They can live to be 100 years old.”
“Good heavens,”
“Goodness gracious,”
「ここにはウミガメとリクガメがいます。彼らは100歳まで生きることができるんですよ。」
「まあ、大変」
「なんてことかしら」
But each refused to tell the other about them.
The turtle found a worm that looked just like Winston Churchill.
He ate it.
しかし、お互いにそのことを相手に話そうとはしませんでした。
ウミガメは、ウィンストン・チャーチルにそっくりな芋虫を見つけました。
彼はそれを食べました。
Then another eagle carried him right back.
すると、別のワシが彼をすぐ元に戻してくれました。
And some wonderful New Year’s Eves…
But not even that could bring the turtle and the tortoise together.
何回かの素晴らしい大晦日を過ごしましたが……
そんなことでさえ、ウミガメとリクガメを歩み寄らせることはできませんでした。
A big red ball bounced over the wall and landed right in the center of the pen.
“It’s mine!”
“Not if I get there first!”
And the two creatures raced as fast as they could toward the ball.
大きな赤いボールが壁を越えて弾み、囲いのちょうど中央に落ちてきたのです。
「それはボクのだ!」
「ボクが先に着けば違うさ!」
自由を目指すように2匹の生き物は、ボールに向かって全速力で走りました。
“Gasp!”
「はあ、はあ!」
He sniffed it… then he chewed it.
It tasted horrible.
“Blech,”
匂いを嗅いで……それから噛んでみました。
ひどい味がしました。
「オエッ」
“I’m king of the zoo,” he cried.
Then the ball rolled over and the turtle landed on his back.
He waved his little arms and legs, but he couldn’t turn over.
「ボクは動物園の王様だ!」と彼は叫びました。
するとボールが転がり、ウミガメは仰向けにひっくり返ってしまいました。
彼は小さな手足をバタバタさせましたが、起き上がることができませんでした。
“Well, well, well,” said the tortoise.
“It seems the ball is mine!”
He climbed on top and the ball rolled over, and then both of them were stuck on their backs.
「おやおや、これはこれは」とリクガメが言いました。
「どうやらボールはボクのもののようだね!」
彼が上に登るとボールが転がり、結局2匹とも仰向けのまま動けなくなってしまいました。
For the next 17 years.
その後の17年間も。
“I’m rather mad at you,”
“Ditto,”
「ボクはかなり君に腹が立っているんだ」
「同感だね」
came by with a group of school children.
“Look at these two groovy chums out sunning themselves.
We call one a tortoise and one a turtle, but in fact all tortoises are turtles.”
“Good heavens,”
“Goodness gracious,”
小学生のグループを連れて通りかかりました。
「甲羅干しをしているこのイカした2匹の仲間を見てごらん。
片方をリクガメ、片方をウミガメと呼びますが、実はすべてのリクガメはカメの仲間(turtle)なんですよ。」
「まあ、大変」
「なんてことかしら」
“Let me think about that,”
「それについて少し考えさせてくれ」
“Let’s try it,”
The turtle and the tortoise locked hands and rocked back and forth, and back and forth.
「やってみよう」
ウミガメとリクガメは手をしっかり握り合い、前へ後ろへ、前へ後ろへと体を揺らしました。
“Thanks,”
“Don’t mention it,”
「ありがとう」
「どういたしまして」
“No. Did I ever tell you about this ugly worm I once ate?”
「いや。ボクが昔食べたあの不気味な芋虫の話をしたことはあったかな?」
“All right,”
「いいよ」
For the first time in their long, long lives, the turtle and the tortoise walked off together.
And they became fast friends.
彼らの長い長い人生で初めて、ウミガメとリクガメは一緒に歩き出しました。
そして彼らは親友になりました。
まとめ
自分のこだわりや思い込みにとらわれていた2匹が、膨大な時間をかけて心を通わせていく物語は、クスッと笑えてどこか温かい気持ちになりますね。
絵本には、協力するときに使える「work together」や親友を表す「fast friends」など、日常の英会話でも大活躍する素敵な表現がたくさん盛り込まれています。
ぜひ読み聞かせ動画と一緒に声に出して読んでみて、楽しみながら英単語やフレーズを身につけていってくださいね。