美味しい匂いが漂ってくると、ついつい鼻をクンクンさせて匂いの元を探したくなってしまいませんか。人間でもお腹が空いている時は誘惑に勝つのが難しいものですが、これが鼻の利くワンちゃんだったらなおさらですよね。
今回ご紹介する絵本は、まさに「鼻」に人生(犬生?)を振り回されてしまう、とってもお茶目で愛らしいワンちゃんが主人公の物語です。ここでは『The Nose That Knows』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
絵本の基本情報
| タイトル | The Nose That Knows |
|---|---|
| 著者・イラスト | (絵本の記載に準拠) |
| 出版社 | Parragon Books など |
| 対象年齢(目安) | 3歳〜6歳(未就学児〜小学生低学年向け) |
あらすじ
大好きな飼い主の女の子モリィ・ブラウンと暮らす犬のマイロ。マイロはモリィのことが大好きですが、マイロの「鼻」が一番愛しているのは美味しそうな食べ物でした。
ある日、公園で見かけたサンドイッチの匂いを追いかけ始めたマイロは、池を泳ぎ、オフィスビルを駆け抜け、ついには飛び立つヘリコプターにしがみついてしまいます。さらにリンゴの匂いに引き寄せられて忍び込んだ場所は、なんと発射直前のロケットでした。
宇宙まで飛んでいってしまったマイロは、無事にモリィの待つおうちへ帰ることができるのでしょうか。
英語学習のポイント
① 「どこかへ出かける」を自然に表す head out
物語の序盤で、モリィがお母さんと一緒にお出かけする場面に “Molly’s heading out with Mom.” という表現が出てきます。「どこかに向かって出発する」「出かける」と言いたい時、英語では go out だけでなく、この head out というフレーズも非常によく使われるのですね。
これをわかりやすくいうと、「頭(head)を向けて外(out)に出ていく」というイメージです。目的地へ向かって一歩を踏み出すような軽快なニュアンスが含まれています。日常会話でも「そろそろ出かけようか!」という時に使えるとても自然な言い回しなんですよ。
- head out → 出かける、出発する
- “I’m going to head out now.” → そろそろ出かけるね。
- “We should head out before it rains.” → 雨が降る前に出発したほうがいいかも。
② 目的語をともなって「案内する・導く」を伝える lead 〜 to…
タイトルにもなっているマイロの自慢の鼻ですが、物語のラストで “will always lead him to…” という形で登場します。「lead+人+to+場所や状態」で、「人を〜へ導く、案内する」という意味をつくることができます。
言い換えるなら、「〇〇という目的地まで引っ張っていってあげる」という感じです。道案内をするときはもちろんのこと、この絵本のように「この出来事が私を幸運に導いてくれた」といった少し概念的な表現にも使える便利な熟語となっています。
- lead 〜 to… → 〜を…へ導く、案内する
- “This path will lead you to the station.” → この道を行けば駅に着きますよ。
- “Hard work will lead you to success.” → 努力はあなたを成功へと導いてくれるでしょう。
③ 感情や好みを優しく伝える be fond of
マイロがオフィスビルから漂ってくる大好きな食べ物の匂いを嗅ぎつけるシーンで、”a smell of which he’s really rather fond” という表現が使われています。be fond of 〜 は、「〜が好きだ」「〜を好んでいる」という意味を持つ大切な熟語です。
普段よく使う like よりも少し気持ちがこもっていたり、愛情や愛着を持って「好き」と感じているニュアンスを表現できます。日本語でいうなら「〜をいたく気に入っている」「〜に目がない」という柔らかい温かみのあるニュアンスに近いです。
- be fond of 〜 → 〜が好きだ、〜を気に入っている
- “My dog is very fond of cheese.” → うちの犬はチーズが大好きなんです。
- “She is fond of reading books.” → 彼女は本を読むのがすっかり気に入っています。
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
She’s a girl called Molly Brown.
But Milo’s nose loves food the most.
It leads him all around town.
彼女はモリィ・ブラウンという女の子です。
でも、マイロの鼻が何より大好きなのは食べ物です。
その鼻が、彼を街中に案内します。
It knows when food is near.
When it smells a smell, the nose soon shows poor Milo where to stare!
食べ物が近くにあるときが分かります。
匂いを嗅ぎつけると、鼻はかわいそうなマイロにどこをじっと見ればいいのかすぐに教えます!
Milo runs. Bark, bark!
マイロは走ります。ワン、ワン!
Splash! So now he’s paddling through a pond.
Then his nose smells a smell of which he’s really rather fond.
バシャーン!というわけで、彼は今、池を犬かきで進んでいます。
すると彼の鼻は、彼がかなり大好きな匂いを嗅ぎつけます。
Oh my, it does smell fine!
That nose has caught a sniff of cheese and pies and fries.
“Where’s mine?”
まあ、なんていい匂いでしょう!
あの鼻は、チーズとパイとフライドポテトの匂いを捉えました。
「僕のはどこ?」
Is that pizza on a plate?
お皿に乗っているのはピザでしょうか?
But oh no, he’s just too late!
He clings on to the ‘cupter as it flies off through the air.
でも、ああ大変、間一髪間に合いません!
彼は空へ飛び立つヘリコプターにしがみつきます。
crunchy munchy apples over there.
あそこにある、シャキシャキむしゃむしゃのおいしいリンゴです。
He’ll just grab one, then he’ll go.
He sneaks, but the door closes.
6, 5, 4, 3, 2, 1…Whoosh!
一つだけ掴んだら、すぐに出よう。
彼はこっそり忍び込みますが、ドアが閉まってしまいます。
6、5、4、3、2、1……シュワーッ!
Out, he climbs, and finds the moon is made of peanut butter.
外へ登っていくと、月がピーナッツバターでできているのを発見します。
It’s miles and miles away, but it smells just like paradise.
何マイルも何マイルも離れていますが、まるで楽園のような匂いがします。
It’s his favorite thing to eat.
Cooking on a barbecue, it’s yummy sizzling meat.
Zoom!
それは彼がいちばん大好きな食べ物です。
バーベキューで焼かれている、ジュージュー音を立てるおいしいお肉です。
ズーム!
“Wherever did you go?”
Milo wags his tail, but she will never ever know.
「一体どこに行っていたの?」
マイロは尻尾を振りますが、彼女が知る由もありません。
Milo’s glad to be back too, and glad at last to eat.
マイロも帰ってこられて嬉しく、やっと食べられて嬉しいのです。
Yes, Milo, he might roam.
But Milo’s nose is a nose that knows, and will always lead him to…
Molly, food, and home.
そうです、マイロは放浪するかもしれません。
けれどマイロの鼻は何でも知っている鼻で、いつも彼を導くのです……
モリィと、食べ物と、我が家へと。
まとめ
美味しそうな匂いにつられて地球を飛び出し、宇宙まで冒険してしまうマイロのお話は、思わず声を出して笑ってしまうような楽しさに満ち溢れていますね。突拍子もない展開の連続ですが、最後は大好きな飼い主の元へ戻ってくる温かい結末に心がほっこりさせられます。
作中には日常で使える英語フレーズもたくさん散りばめられていますので、ぜひお子さんと一緒に声を出しながら、リズムよく読み聞かせを楽しんでみてくださいね。