こんにちは。子どもの大好きなものって、見ているだけで本当に微笑ましい気持ちになりますよね。
でも、好きなものに夢中になりすぎて、ちょっとマナーを忘れてしまったり、周りを散らかしてしまったりして、「コラコラ!」と叱ってしまうこと、ありませんか?
我が家でも、大好物の麺類が目の前に出てくると、お行儀なんてどこへやら、一心不乱にガツガツ食べてしまう姿によくハラハラさせられます。そんな「大好きなものを追い求める、お茶目で真っ直ぐな情熱」をユーモラスに描いた、とても可愛らしい英語絵本を見つけました。
それが、今回ご紹介する『The Moose Who Loved Noodles』です。ここでは『The Moose Who Loved Noodles』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
絵本『The Moose Who Loved Noodles』の基本情報
| タイトル | The Moose Who Loved Noodles |
|---|---|
| 著者・イラスト | Rachel Dutton |
| 出版社 | Magnificent Moose Adventures |
| 対象年齢(目安) | 3歳〜9歳 |
あらすじ
ヘラジカのブーマーは、森の大きなパーティーで人間たちが食べていた「ヌードル(パスタ)」の美味しそうな匂いに心を奪われてしまいます。大好きなヌードルをどうしても食べてみたいブーマーは、みんなが寝静まった夜中にこっそり冷蔵庫をあさってみたり、完璧な変装をしてレストランへ忍び込んでみたりと、様々な作戦を実行します。
しかし、お行儀の悪さからパーティー会場を追い出され、変装がバレてレストランのシェフに怒鳴られ、パスタの本場イタリアへ旅立とうとするものの背が高すぎて飛行機に乗れないなど、行く先々で大失敗してしまいます。もう二度とパスタを食べられないかもしれないと落ち込むブーマーでしたが、そこで誰もが驚くような最高に素敵なアイデアを思いつくのです。
英語学習のポイント
臨場感たっぷりのオノマトペ(擬音語)を味わう
絵本の中には、ブーマーのコミカルな動きを表現する擬音語がたくさん登場します。例えば、足音の「clop(パカパカ)」や、お皿が割れる音の「crash(ガシャーン)」、そしてお腹が鳴る音「grumbled(グーグー)」などです。
ここでオノマトペという言葉を少し優しく解説すると、これは言葉の響きそのもので目の前の出来事をアニメのようにありありと再現させる「魔法の音の言葉」です。
具体的な例を挙げると、日本語で雨が降る様子を「ザーザー」と表現したり、お肉が焼ける音を「ジュージュー」と表現したりするのと同じ感覚です。これを英語で声に出して読むことで、勉強しているという感覚を持たずに、英語特有の豊かな響きを感覚的に身につけることができるのではないかと思います。
心の声を表現する「wish」を使った表現
ブーマーがマリナーラソースを恋しがる場面で、「he wished for…」という表現が使われています。この「wish」の表現を非常に分かりやすくお伝えするなら、単に何かを欲しいと思うだけでなく「いま手元にないものを、流れ星にお祈りする時のように切なく憧れ求めるニュアンス」という感じです。
日本人の生活に例えるなら、ダイエット中なのに深夜になってどうしても大好物のラーメンが食べたくなり、「今すぐ目の前にアツアツの醤油ラーメンが現れたら最高なのに……!」と、枕に顔を埋めて切望する時のあの心の叫びと非常によく似ています。この感情を乗せて英語を読むことで、言葉の意味が心の中に生きた知識としてしっかりと刻み込まれるのではないかと考えています。
状況を切り開く「アイデアの表現」
物語の展開が変わるたびに、「He had an idea.」や「Then Boomer had an even better idea!」という表現が登場します。このおなじみのフレーズを少し別の言葉で表すなら、「目の前の困難に対して、頭の中でピカッと明るい電球が灯るひらめきの瞬間」を指す言葉です。
日常の場面でいうと、冷蔵庫の残り物を見て「あ、これで美味しいチャーハンが作れるかも!」と思いつき、心の中で小さくガッツポーズをしたくなるようなあのワクワク感ですね。こうしたストーリーの節目に出てくる定番表現は、物語の楽しい感情とセットになっているため、子どもの記憶にとても残りやすいのではないかと感じています。
読み聞かせ動画
日本語訳(全文)
Every fall the park rangers invited all the animals to a big woodland party.
毎年秋になると、パークレンジャーたちはすべての動物たちを森の大きなパーティーに招待した。
Boomer was very excited.
ブーマーはとてもワクワクしていた。
He had been looking forward to it all year.
彼は一年中それを楽しみにしていたのだ。
Boomer brought his specialty, a big salad of tender young branches with maple leaves and slug slime dressing.
ブーマーは自慢の一品である、柔らかい若い枝にカエデの葉とナメクジの粘液ドレッシングを和えた特製大皿サラダを持参した。
He was pretty proud of it.
彼はそれにかなりの誇りを持っていた。
But at the party he noticed that the humans were eating something else, something that smells delicious!
しかしパーティーで彼は、人間たちが何か別のもの、とても美味しそうな匂いがするものを食べていることに気づいた!
But everyone knows that moose don’t eat noodles!
だけど、ヘラジカがヌードルを食べないなんて誰もが知っていることだ!
He chewed and chomped on his sticks and leaves, but he got splinters in his teeth and he wished for marinara sauce instead of slug slime.
彼は小枝や葉っぱをクチャクチャと噛みしめたが、歯にトゲが刺さり、ナメクジの粘液の代わりにマリナーラソースがあればいいのにと願った。
It was terrible!
最悪だった!
His stomach grumbled.
彼のお腹がグーグーと鳴った。
He had an idea.
彼はあるアイデアを思いついた。
After he helped with the dishes,
彼がお皿洗いを手伝ったあと、
Boomer hid under the rug until everyone went to sleep.
ブーマーはみんなが寝静まるまで、ラグの下に隠れていた。
While the human snoozed, he tiptoed down the hall…
人間たちが居眠りしている間に、彼は廊下を忍び足で進んだ…
Clop, clop, clop.
パカッ、パカッ、パカッ。
and quickly crept over the dining room table…
そして急いでダイニングルームのテーブルを這い進んだ…
Crash, clang! bang!
ガシャーン、カラン!バタン!
Boomer paused.
ブーマーは立ち止まった。
Had he been a little noisy?
少しうるさくしてしまっただろうか?
He decided he’d better hurry.
彼は急いだほうがいいと判断した。
He flung open the refrigerator door, and swooned at the sweet smell of pasta.
彼は冷蔵庫のドアを勢いよく開け、パスタの甘い香りにうっとりとした。
He gobbled and gulped and ate and ate and ate!
彼はガツガツ、モグモグと、食べて、食べて、食べまくった!
The noodles were even better than Boomer had imagined!
ヌードルはブーマーが想像していたよりもずっと美味しかった!
He let out a very satisfied burp!!!
彼は大満足のゲップを一つ放った!!!
But Boomer had been a little noisy.
しかし、ブーマーは少しうるさくしすぎていた。
“What a messy moose!” the park rangers cried, and they asked Boomer to leave.
「なんて散らかし屋のヘラジカなんだ!」とパークレンジャーたちは叫び、ブーマーに出ていくよう求めた。
Boomer knew his life would never be complete without noodles, so he thought of a better plan.
ヌードルがなければ自分の人生は決して満たされないと知っていたブーマーは、もっと良い計画を考え出した。
He donned the perfect disguise, a big blue hat and a dashing moustache, and went to a restaurant.
彼は大きな青い帽子と小粋なひげという完璧な変装を身にまとい、レストランへと向かった。
He ordered lots and lots of noodles.
彼はたくさんの、本当にたくさんのヌードルを注文した。
But when he bent over to gobble them up, his hat fell off.
しかし、彼がそれをガツガツ食べようとかがんだとき、帽子が落ちてしまった。
The people gasped so loudly that it hurt his sensitive ears.
人々があまりにも大きな声をあげて息をのんだので、彼の敏感な耳が痛むほどだった。
“No animals in the restaurant!” the chef yelled, and they pushed Boomer rudely out the door.
「レストランに動物は立ち入り禁止だ!」とシェフが怒鳴り、彼らはブーマーをドアの外へ乱暴に押し出した。
Boomer felt very sad and very very hungry.
ブーマーはとても悲しくなり、そしてものすごくお腹が空いた。
He looked everywhere for stray noodles, but the only thing he found was a picture in a magazine.
彼は落ちているヌードルがないかとあちこち探したが、見つかったのは雑誌の写真だけだった。
Those noodles didn’t taste good, but they gave Boomer a fantastic idea!
そのヌードル(の写真)は美味しくなかったけれど、ブーマーに素晴らしいアイデアを与えてくれた!
He would go to Italy, the land of pasta.
パスタの国、イタリアへ行こう。
He got his passport, put on his best pants and waited in lots of lines.
彼はパスポートを手に入れ、一番いいズボンを履き、たくさんの行列に並んで待った。
But the airline said he was too tall to fly.
しかし航空会社は、彼は背が高すぎて飛行機に乗れないと言った。
“Must be this short to fly.”
「搭乗するにはこれより低くなければなりません」
And he didn’t fit in a suitcase.
それに、彼はスーツケースにも収まらなかった。
Boomer thought he would never get his noodles.
ブーマーは、もう二度とヌードルを食べられないのではないかと思った。
Sad and noodle-less.
悲しくて、ヌードルのない日々。
He ate his yucky leaves and wandered around.
彼はまずい葉っぱを食べながら、あたりをうろついた。
Then Boomer had an even better idea!
そのとき、ブーマーはさらに良いアイデアを思いついた!
Noodle factory!
ヌードル工場だ!
He bought flour and eggs and oil…
彼は小麦粉と卵と油を買い…
He mixed and kneaded and rolled…
混ぜて、捏ねて、伸ばして…
He boiled and sniffed and tasted…
茹でて、匂いを嗅いで、味見をした…
Until the noodles were perfect!
ヌードルが完璧に仕上がるまで!
Boomer made so many noodles even he couldn’t eat them all!
ブーマーは自分でも全部は食べきれないほどたくさんのヌードルを作った!
He looked at the overflowing bowls and felt … rather empty.
彼は溢れんばかりのボウルを見つめ、そして…どこか虚しさを感じた。
He wished he had someone to share them with.
誰か一緒に分け合える人がいればいいのに、と思った。
Then he had his best idea ever!
そのとき、彼はこれまでで最高のアイデアを思いついた!
Boomer threw his own party, and everyone came.
ブーマーは自分自身のパーティーを開き、みんながやってきた。
They ate spaghetti and macaroni and talked and danced, and had a wonderful time.
彼らはスパゲッティやマカロニを食べ、おしゃべりをして踊り、素晴らしい時間を過ごした。
But Boomer thought there was still something missing…
しかしブーマーは、まだ何かが足りないと考えた…
Vegetables!
野菜だ!
So he made his specialty, maple leaf salad with slug slime dressing.
そこで彼は自慢の一品、カエデの葉のサラダ・ナメクジ粘液ドレッシング添えを作った。
まとめ
今回は、パスタへの強いこだわりを持つお茶目なヘラジカ・ブーマーの物語『The Moose Who Loved Noodles』をご紹介しました。
誰にでも、どれだけ失敗しても諦めたくないほど大切なものってありますよね。ブーマーの、どれだけ周りに怒られても大好物のために奮闘し続ける真っ直ぐな姿は、読んでいる私たちの心を自然と温かくしてくれます。
そして最後には、みんなに手作りパスタを振る舞う優しさを見せつつ、自分のお気に入りである「ナメクジドレッシングのサラダ」もしっかりメニューに加えるという、ちょっとクスッと笑えるオチが待っている点も非常に可愛らしいです。英語絵本の読み聞かせは、単なる勉強の道具ではなく、こうしたおかしなストーリーを親子で笑いながら共有する時間そのものに価値があるのではないかと感じています。ぜひ、今夜の絵本の候補に加えてみてくださいね。