「お外でお花を見たよ」
「テレビを見るよ」
「あそこを見て!」
日本語ではすべて同じ「見る」という言葉を使いますが、英語にすると See, Look, Watch の3つを使い分ける必要があります。
大人でも「あれ?どっちだっけ?」と迷いがちなこの3つの動詞。
実は、「目の使い方」に注目すると、子供でも驚くほど簡単に使い分けられるようになります。
今回は、丸暗記ではなく「イメージ」で覚える、英語の「見る」の違いと教え方をご紹介します。
以前紹介した「Watch out!(気をつけて)」がなぜ Watch なのかも、この記事を読むと「なるほど!」と腑に落ちますよ。
3つの「見る」の決定的な違いとは?
まずは親御さんがニュアンスを掴みましょう。ポイントは「意識の強さ」と「対象物が動いているかどうか」です。
●See(シー):自然と目に入ってくる
意識しなくても、目を開けていれば「視界に入る」状態です。
例:窓を開けたら山が見えた、人混みで友達を見かけた。
●Look(ルック):意識して視線を向ける
「あそこを見て!」と指を差すように、止まっているものに視線を集中させる状態です。
例:絵を見る、看板を見る、ホワイトボードを見る。
●Watch(ウォッチ):動くものを目で追う
動いているものや、変化するものを「じーっと注意して見る」状態です。
例:テレビを見る、試合を見る、子供を見守る。
子供への教え方:ジェスチャーで伝えよう!
言葉で説明するよりも、体を使ったジェスチャーで教えると、子供は感覚的に理解してくれます。
① See の教え方:「パチッ!」

目を閉じてから、パチっと開けてみてください。
「Seeは、目を開けたら『見えちゃった!』だよ」
特に何を見ようとしていなくても、目を開ければ景色が入ってきますよね。それが See です。
- “I see a bird!”(あ、鳥がいる!/鳥が見えた!)
② Look の教え方:「クルッ!」

首を動かして、ターゲットに視線をロックオンする動きを見せます。
「Lookは、顔を向けて『あそこを見て!』だよ」
指差し確認のイメージです。たいていの場合、見る対象(点)を示すために “at” をつけて “Look at 〜” の形で使います。
- “Look at me!”(ママ/パパを見て!)
- “Look at that!”(あれ見て!)
③ Watch の教え方:「ジ〜ッ…」

左右に動く指を目だけで追いかけたり、双眼鏡を覗くようなポーズをします。
「Watchは、動いているものを『ジ〜ッと追いかける』だよ」
テニスの試合でボールを目で追うように、動くものや変化するものに注意を向け続けるのが Watch です。
- “I watch TV.”(テレビを見る ※画面の中で絵が動いているから)
- “Watch out!”(気をつけて! ※周りの危険な動きをよく見て!ということ)
【クイズ】こんな時はどっちを使う?
理解度をチェックするために、親子でクイズをしてみましょう。

Q1. 動物園で「見て!キリンがいるよ!」と言うときは?
A. Look!
(子供の注意を引きつけ、視線を向けさせたいから)
Q2. 「昨日、公園で〇〇ちゃんに会ったよ(見かけたよ)」と言うときは?
A. Saw (Seeの過去形)
(探していたわけではなく、偶然視界に入ったから)
Q3. 「YouTubeを見たい!」と言うときは?
A. Watch
(動画は動いているものだし、じっと集中して見るから)
日常会話で使える「見る」の実践フレーズ
最後に、お家や外ですぐに使えるフレーズをご紹介します。
お散歩中に
- “Look at the red flower!”
(あのお花を見て! ※止まっているものに注目させる) - “Can you see the moon?”
(お月様見える? ※視界に入っているか確認する)
家の中で
- “Let me see.”
(えーっと/どれどれ、見せて。
※「私の視界に入れてみて」=「ちょっと見せて・確認させて」という意味でよく使います) - “Don’t watch TV too much.”
(テレビを見過ぎちゃダメよ)
まとめ:目は「カメラ」だと考えよう
3つの違いをカメラに例えると、さらに分かりやすくなります。
See:シャッターを開けて、景色が映ること。
Look:カメラのレンズを被写体に向けること。
Watch:ビデオカメラで動く被写体を追いかけ続けること。
子供に教える時は、「パチッ(See)」「クルッ(Look)」「ジ〜ッ(Watch)」という擬音語と一緒に説明してあげると、楽しく覚えられますよ。
正確な使い分けも大切ですが、まずは間違いを恐れずに、目に入ったものや注目してほしいものを英語で伝えてみてくださいね!
「気をつけて!」——日本語では、別れ際にも、注意を促すときにも使える便利なひとことですよね。でも英語では、場面によって使う言葉が変わるのをご存じですか?たとえば、 目の前に危険があるとき → Watch out![…]