電子辞書といえば高校生や中学生だけでなく小学生でさえ持つ時代です。せめて小学生くらいの間は紙の辞書をめくって調べることを覚えてもらいたいと思いますが、今や電子辞書の機能は文字や意味を調べるだけでなく、百科事典で広い知識が得られたり、科学や歴史などに興味を持つきっかけになるような有益なコンテンツがたくさん詰まったツールになっています。
現在小学5年の息子も辞書には慣れ親しんでいるようで、手持ちの辞書には付箋が何枚も貼り付けてられていてそれなりに使い倒しているように見えます。
側から見ていると、そろそろ素早く知りたい情報を調べられる電子辞書を持たせても良いのかなと考えています。
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中学受験向けの電子辞書
小学校5年生の子供に持たせるならどんなのが良いかな?と、電子辞書についていろいろ調べてみました。
以前、カシオのEX-wordについてはチェック済みです。
⇒カシオ電子辞書「EX-word XD-Y4800 」新モデルと旧モデルの違い
今回は、カシオEX-wordに加え、シャープのBrainを型落ちも含め数機種比較してみました。
10代の間使うことを想定して必須の辞書機能と言えば、
英和・和英・類語、英英 、国語・漢字・百科事典 です。
また、できればこれらの辞書はしっかり掲載語句数の多いものが理想です。
小学生向けの書籍辞書や数世代前の電子辞書で調べていると、たまに見つけられないものがあります。あれこれ本を引っ張り出して調べたり結局ググって調べるかネットのお世話になることも多く、できればワンストップで調べられる収録数が欲しいところです。
小・中・高校生向け電子辞書ランキング
カカクコムの学生向け電子辞書ランキングから最新のものです。
カシオの人気はなんでしょう?
1位 カシオ エクスワード XD-Y4800 2016年モデル
2位 エクスワード XD-K4800 2015年モデル
3位 エクスワードライズ XDR-A20 2016年モデル英会話特化
4位 シャープBrain PW-SH3 2015年モデル
1位と2位はカシオ エクスワードの高校生モデル
3位のエクスワードライズ XDR-A20は電子辞書というよりミニタブレットに近いかもしれません。基本辞書機能に加え英語学習に特化したモデルです。
4位にようやくシャープBrain最新モデル。
ちなみにBrainの2014年モデル PW-SH2は7位でした。
カシオ優位理由としてあげられるのはコンテンツの量と、もう一つは重さでしょうか。エクスワードは265gに対しBrainは約300g。細かなコンテンツチェックをしてみないとわかりませんが人によってはこの辺りが決め手かもしれません。
コンテンツの中身は少し横に置いて、Brainには独自の機能性の良さがあります。
シャープBrainの特徴
- 画面がくるっと360度回転し、スマホのような使用感。
- 複数の辞書を2画面で表示。
- PC経由でのダウンロードコンテンツに対応。(6万冊以上)
- 電池の出し入れが必要ない充電式。
- メイン画面はカシオのEX-wordに比べ高精細。
1回の充電で使用できる時間はカシオに比べて短いもののACアダプターでスマホのように充電できるのは使い勝手が良さそうです。
また、必要なコンテンツがBrainに収まっているなら価格面で考えるとカシオに比べてお得感があります。
シャープの電子辞書「Brain」学生向け4機種
シャープに2016年モデルが無いのは発売日が12月になっているためです。カシオの発売は翌月なのでカシオの2016年モデルとシャープBrainの2015年モデルはほぼ同時期の発売になります。
シャープBrain PW-SJ3 2015年中学生モデル
100コンテンツ+65動画+1006漢字筆順動画+3000文学作品
シャープBrain PW-SJ2 2014年中学生モデル
120コンテンツ+82動画+1006漢字筆順動画
シャープBrain PW-SH3 2015年高校生モデル
150コンテンツ+60動画+3000文学作品
シャープBrain PW-SH2 2014年高校生モデル
150コンテンツ+160動画
エクスワード XD-Y4800とBrain PW-SH3の収録辞書比較
最新の高校生向けモデル、カシオ エクスワード XD-Y4800とシャープBrain PW-SH3の収録辞書、学習コンテンツの比較です。
まずは気になる英語辞書。
XD-Y4800,PW-SH3収録英語辞書
エクスワード、Brainとも高校生向けだけあって英和・和英共に十分かつ同じような構成ですが、Brain PW-SH3 には「ロングマン現代英英辞典」が入っています。
XD-Y4800,Brain PW-SH3
- ジーニアス英和辞典 収録語句数 約105,000語句
- ジーニアス和英辞典 収録語句数 約83,000語句
- ベーシックジーニアス英和辞典 収録語数 約40,000語
- オーレックス英和辞典 総項目約10万
- オーレックス和英辞典 約127,000語
- ウィズダム英和辞典 収録項目 約102,000項目
- ウィズダム和英辞典 収録項目 約90,000項目
- 英語類語使い分け辞典 日本語見出し 約1,800語
- カタカナで引ける英和辞典 約44,000語
- OXFORD現代英英辞典 約185,000項目
Brain PW-SH3
- ロングマン現代英英辞典 約230,000項目
英語学習系
日常的に英語を学習するためのコンテンツを電子辞書に求めるかどうか好みの分かれるところですが、PW-SH3の収録数は英語学習系が豊富な気がします。
書籍で英検などの試験対策本を揃える予定のある方はお得かもしれませんね。
PW-SH3の中から一部役立ちそうなものを抜粋しました。
- 英単語ターゲット 1900, 語彙力確認テスト
- 英熟語ターゲット 1000, 実戦問題集
- キクタン,Basic,Advanced,Super
- キクタンリーディングBasic,Advanced,Super
- 聞いて覚える英単語 キクタン TOEFL
- ユメタン/ユメジュク 各レベル
- でる順パス単 2~3級
- リトル・チャロ1.2.3
- NHK基礎英語1.2.3
- 旺文社 英検トレーニング 英検5級~1級
- きめる!センター英語
- 2015年度 センター試験英語
- Z会 音読英単語 中学重要語~センター基礎
- はじめてのTOEFL iBT®テスト総合対策
- はじめての新TOEIC®テスト
- 新TOEIC®テスト 文法特訓
- 使ってトクする英語 損する英語
- ATR CALL アプリケーションソフト
国語、百科事典系
XD-Y4800とPW-SH3に収録されている国語系の辞書では少し違いがあります。
まず目につくのがXD-Y4800の広辞苑とPW-SH3の大辞林。どちらも調べ物が見つからないことはないくらい定番の辞書です。逆引きなどの機能的な面や収録項目数はそんなに違いはありません。
それぞれの特徴を拾ってみると、広辞苑は言葉の成り立ちや歴史的な背景、語源を重視する傾向があり、大辞林で調べると現在使われている言葉のイメージやニュアンスなど 現代人にとって実践的な解説がされている、ということのようです。
次に百科事典の主なもの。こちらはエクスワードが豊富に揃っています。その他、学習記憶系でははどちらも同じようなラインナップですが、Brainには「Z会 入試に出るシリーズ」があり、過去問チェックには有利かもしれません。
PW-SH3
ブリタニカ国際大百科事典
収録項目 約155,000項目
ビジュアル大世界史
収録項目 776項目 収録図 3,969図
ビジュアル科学大事典
収録項目 約1,000項目 収録図 990図
Z会 入試に出る日本史B
用語&問題2100
Z会 入試に出る世界史B
用語&問題2000
Z会 入試に出る地理B
用語&問題2000
XD-Y4800
日本大百科全書(ニッポニカ)
小学館 収録数:約130,000項目 / 図版約13,000点
ブリタニカ国際大百科事典 小項目電子辞書版
収録数:約155,000項目、写真・イラストなど:約18,000点
百科事典 マイペディア 電子辞書版
収録数:約68,480項目/約330図
ビジュアル 大世界史
収録項目 650項目 収録図 4,000図
ビジュアル 科学大事典
収録項目 約1,000項目 収録図 990図
すべてを細かく見ていくと、どちらもそれぞれ特徴があって迷ってしまいます。価格面では5,000円程度開きがありました。電子辞書の基本に戻ると、調べたいものが確実に出てくること。後は、今必要なことと将来必要になりそうなことは切り分けて選んでみるというのがボイントになりそうです。