海のバランスが崩れたらどうなる?英語絵本『Bloom』が伝える環境保護へのメッセージ

海のバランスが崩れたらどうなる?英語絵本『Bloom』が伝える環境保護へのメッセージ

子どもと一緒に英語絵本を読んでいると、「単語や文法を覚えるだけじゃなくて、もっと心に残るテーマや社会の仕組みについても触れさせてあげたいな」と感じる瞬間はありませんか?

そんな時にとてもおすすめなのが、幻想的なイラストと深いメッセージ性で話題を集めている英語絵本『Bloom』です。

今回は『Bloom』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。

絵本の基本情報

タイトルBloom
著者・イラストAnne Lambelet
出版社Publisher Spotlight
対象年齢(目安)4〜8歳

あらすじ

かつて海はたくさんの生き物であふれ、波のリズムと素晴らしい調和が保たれていました。小さなクラゲのルナは海を冒険し、サンゴ礁に住む友達に旅の話を聞かせるのが大好きだったのです。

しかしある日、大好きなヤドカリのハーミットをはじめ、大切な友達がみんな消えてしまいました。ルナは友達を探して広大な海へ旅立ちますが、そこで目にしたのは海洋ゴミやプラスチックで散らかった海底と、異様な数に膨れ上がったクラゲの大群でした。

温かくなった海水と流れてくるゴミ。変わり果てた海の姿を知ったルナとクラゲたちは、人間に向けて言葉のない、でも力強いメッセージを届けるために静かな行動を起こします。

英語学習のポイント

① set off

物語の途中で、突然いなくなった友達を探すためにルナが旅立つ場面があります。ここで使われているのが「set off」という熟語ですね。
単に「行く」を意味する「go」などとは異なり、「何か新しい目的を持って出発する」という前向きなニュアンスが含まれています。これを分かりやすくいうと、旅行や冒険の一歩目を踏み出す時のワクワク感や強い決意を表すイメージでしょうか。日常会話でも出かける時によく使われるフレーズとなります。

  • set off → 出発する、旅立つ
    • “She set off to find her friends.” → 彼女は友達を探すために旅立ちました。
    • “We should set off early in the morning.” → 私たちは朝早くに出発したほうがいいですね。

② ripple back to

絵本の終盤、ルナが見てきた様々な異変が海全体に及んでいたことを示す場面で「ripple back to」という表現が出てきます。
「ripple」は水面に生まれる小さな波紋のことですね。水滴をポチャンと落とすと波紋が広がっていきますが、その波風が「巡り巡って影響を与える」という様子を表しています。自分たちの日常の小さな行動が巡り巡って地球環境全体の変化に繋がるという、まさにSDGsの考え方にも通じる素敵な表現ではないでしょうか。

  • ripple back to → 〜へ波及する、巡り巡って〜に影響を及ぼす
    • “All the things she had seen had rippled back to the reef.” → 彼女が見てきたすべてのことが、サンゴ礁へと波及していたのです。
    • “Our daily actions can ripple back to the environment.” → 私たちの日常の行動が、環境へと波及していくかもしれません。

③ cannot do much, but…

ルナは最初、「自分みたいな小さなクラゲ1匹に何ができるんだろう」と悩みます。そこで登場するのが「One little jellyfish can’t do much, but a huge bloom of jellyfish can!」という対比の文法表現です。
「can’t do much(大したことはできない)」と「can(できる!)」を「but」で対比させることで、個人の力は小さくても集まれば大きなパワーになるというメッセージを強調しています。言い換えるなら、「自分一人じゃ無理だけど、みんなで協力すれば解決できるよ!」と言いたい時にそのまま使える便利な構文ですね。

  • cannot do much, but… → 大したことはできないけれど、〜ならできる
    • “One person can’t do much, but a team can.” → 1人では大したことはできませんが、チームならできます。
    • “I can’t do much today, but I will try my best tomorrow.” → 今日はあまり多くのことはできませんが、明日はベストを尽くします。

読み聞かせ動画のご紹介

日本語訳

There was a time when the ocean was full of friends.
Colorful friends, helpful friends, friends who liked to play chase.
There was a perfect rhythm to the waves and a perfect balance to the water.
かつて、海がたくさんの友達で満ちていた時代がありました。
カラフルな友達、親切な友達、追いかけっこが大好きな友達。
波には完璧なリズムがあり、海には完璧な調和がありました。
Luna loved to roam the sea, but she always came back to her friends at the reef.
Everyone wanted to hear her stories about things she had seen,
like jet skis and water wings and castles made of sand.
They all listened with wonder, especially her best friend Hermit, who had never been far from home.
ルナは海を回遊するのが大好きでしたが、いつもサンゴ礁にいる友達のもとへ戻ってきました。
誰もが彼女が見てきたものの話を聞きたがりました、
水上バイクやアームヘルパー(浮き具)、そして砂の城のような話を。
みんな目を輝かせて聞いていましたが、家から遠くへ出たことがない親友のヤドカリ(ハーミット)は特に夢中でした。
Lately Luna noticed that things were changing.
“Look at my fabulous new shell!”
“What an unusual flavor!”
“Is it getting hot in here or is it just me?”
最近、ルナは状況が変わりつつあることに気づきました。
「私の素晴らしい新しい貝殻を見て!」
「なんて珍しい味なんだろう!」
「ここ、暑くなってきてない? それとも私だけかしら?」
And when Luna returned to the reef after her next adventure,
Hermit and her other friends were gone.
So she set off to find them.
そしてルナが次の冒険からサンゴ礁に戻ったとき、
ハーミットや他の友達はいなくなっていました。
そこで彼女は彼らを探す旅に出ました。
Luna asked some strange looking fish if they’d seen her friends, but they just floated by.
She asked a pair of quiet jellyfish, but they didn’t have much to say.
She tried to question some manta rays, but they were too busy to help.
Just as Luna was giving up hope, she saw something bright in the distance.
A huge bloom of jellyfish.
ルナは奇妙な姿をした魚たちに友達を見かけなかったか尋ねましたが、彼らはただ通り過ぎるだけでした。
彼女はおとなしい2匹のクラゲに尋ねましたが、大した返心は返ってきませんでした。
マンタたちにも聞いてみようとしましたが、彼らは忙しすぎて助けてくれませんでした。
ルナが希望を捨てかけたその時、遠くに輝く何かが見えました。
クラゲの大群です。
“I’ve lost my friends,” Luna said.
“Will you help me find them?”
The bloom of jellyfish spread out to look.
And before long, they reached the reef.
「友達を見失ってしまったの」とルナは言いました。
「私と一緒に探すのを手伝ってくれない?」
クラゲの大群は手分けして探し始めました。
そしてまもなく、彼らはサンゴ礁にたどり着きました。
As their tentacles brushed over the cluttered seabed, there was a rustle in the plastic.
Luna’s heart jumped for joy as Hermit crawled out, camouflaged by his new shell.
彼らの触手が散らかった海底をかすめると、プラスチックの中でガサゴソと音がしました。
新しい「殻」で迷彩したハーミットが這い出てくると、ルナの心は喜びで躍り上がりました。
“The ocean is in trouble,” said Hermit.
“The waters are warming and the waves are carrying things that don’t belong here. We need to do something.”
Luna wanted to help her friend, but what could one little jellyfish do?
「海が大変なことになっているんだ」とハーミットは言いました。
「海水は温かくなっているし、波はここにあるべきではないものを運んでくる。僕たちで何かしないと」
ルナは友達を助けたいと思いましたが、たった1匹の小さなクラゲに何ができるでしょう?
All the things Luna had seen had rippled back to the reef, upsetting the perfect balance.
She gazed at the hundreds of jellyfish swimming around her and suddenly had an answer.
One little jellyfish can’t do much, but a huge bloom of jellyfish can!
ルナが見てきたすべてのものがサンゴ礁にまで波及し、完璧だった調和を乱していたのです。
彼女は自分の周りを泳ぐ何百匹ものクラゲを見つめ、突然答えを見つけました。
1匹の小さなクラゲにできることは少なくても、クラゲの大群ならできる!
So together the jellyfish turned up by the beaches.
そこでクラゲたちはみんなで海岸に押し寄せました。
They blocked up power stations.
They weighed down fishing nets, nearly overturning the boats.
Their silent message was loud and clear…
“Save our oceans!”
彼らは発電所を塞ぎました。
漁網を重くして、船をひっくり返しそうになりました。
彼らの無言のメッセージは、力強くはっきりと伝わりました……
「私たちの海を守って!」
In recent years, our oceans have seen huge blooms of jellyfish unlike ever before.
Jellyfish thrive in rising sea temperatures, acidic water, and pollution.
They are known as an indicator species, because their increased presence is a warning sign that something is out of balance in our oceans.
近年、私たちの海ではこれまでにないほどクラゲの大発生が見られます。
クラゲは海水温の上昇、酸化した水、そして汚染された環境で繁殖します。
彼らは指標生物(環境指標種)として知られています。なぜなら、彼らが増加することは、海の中の何かがバランスを崩しているという警告のサインだからです。

まとめ

小さなクラゲのルナが教えてくれたのは、一匹一匹の力はささやかでも、みんなで団結すれば大きなメッセージを世界に届けられるということでした。

地球温暖化や海洋汚染といったSDGsのテーマは少し難しく感じられるかもしれませんが、こうして愛らしい絵本を通して触れることで、子どもたちにとっても身近な問題として心に残るはずです。

英語の勉強はもちろんのこと、親子で「今、海で何が起きているのかな?」と優しく話し合うきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

広告