朝、目が覚めたときに「今日はどんな一日にしようかな」と考えを巡らせる瞬間ってありますよね。小さな子どもと一緒に過ごしていると、段ボールを組み立てて秘密基地を作ったり、積み木を倒さないように限界まで高く積んだりと、毎日のように新しくて自由なアイデアが生まれてきます。
実は「作る」という行為は、手で触れられる工作だけに限った話ではありません。誰かの気持ちをふわっと明るくしたり、新しいお友達と手を繋いだりすることも、人生を豊かにする最高のものづくりのひとつです。今回ご紹介する『Be A Maker』は、そんな日々の挑戦と、自分自身の手で世の中を少し良くする喜びを優しく手渡してくれる一冊となります。
ここではBe A Makerの簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
絵本の基本情報
| タイトル | Be A Maker |
|---|---|
| 著者・イラスト | Katey Howes / Warikoo Maple |
| 出版社 | Millbrook Press |
| 対象年齢(目安) | 4歳〜8歳(幼児〜小学生向け) |
あらすじ
「今日という可能性に満ちた世界で、君は何を作る?」という、胸が躍るような言葉でストーリーは幕を開けます。朝起きた瞬間から、物語は読者である子どもたちへ語りかけるように問いかけてくれるのです。
背の高いタワーをバランスよく積んでは派手に倒してみたり、頭の中で果てしない宇宙を想像してみたり。おもちゃで望遠鏡を組み立てて冒険に出かけることもあれば、できたおやつをご近所さんと分け合ったりすることもありますね。
やがて「作る」対象は形ある道具や建物から、みんなで楽しむ計画や約束、そして街全体を笑顔にする大きな変化へと広がっていきます。一日の終わりに「今日作ったものに誇りを持てるかな?」と優しく問いかけてくれる、心地よい詩のリズムに包まれた温かいお話です。
英語学習のポイント
① 日常の気分や状態を変える魔法の表現「make A B」
「make」と聞くと、何かを工作して作ることばかりを想像してしまいがちですよね。しかし絵本の中では「make A B(AをBという状態に変える)」という、英語の日常会話で非常に役立つ文法が登場してきます。
作中の「Make a smile from lemonade.」という一節を分かりやすく言い換えるなら、手作りのレモネードで「みんなを笑顔の気分にする」という描写です。たとえば、落ち込んでいるお友達に甘いココアを渡して気持ちをほっとさせたり、お部屋を片付けて綺麗にしたりするときにもこの形がそのまま使えますよ。
- make A B → AをB(の状態)にする
- “The good news made her happy.” → その嬉しい知らせは彼女を幸せな気持ちにしました。
- “Can you make the room clean?” → お部屋をきれいな状態に片付けられますか?
② 世界や身近な場所を良くする「make a difference」
絵本の終盤に出てくる「Make a difference」は、英語圏の学校や絵本でも本当に大切にされている代表的な熟語です。直訳すると「違いを作る」ですが、簡単に言えば「良い変化をもたらす」や「誰かの役に立つ」という意味合いになります。
世の中をガラリと変える大発見だけでなく、困っている人に声をかけたり公園のゴミを拾ったりする小さな優しさも、立派な「make a difference」です。自分自身の小さな行動が誰かの笑顔に繋がっているんだと、子どもに自信を感じさせてくれる素敵な言葉ではないでしょうか。
- make a difference → 良い変化をもたらす・役に立つ
- “Every small help can make a difference.” → どんな小さな助けも、良い変化を生み出す力になります。
- “You made a big difference today.” → 今日、あなたは本当に素晴らしい貢献をしてくれましたね。
③ 行動や人間関係を広げる「make + 名詞」の基本フレーズ
日本語だと「友達をつくる」「計画をたてる」「約束をする」のように、毎回ちがう動詞を使い分ける必要がありますよね。ところが英語では、これらをぜんぶ「make」という一つの動詞でまとめて表現できてしまいます。
絵本の中でも「make a friend(友達を作る)」「make a plan(計画を立てる)」「make a pledge(約束・誓いをする)」といった重要な表現がテンポよく登場します。後ろにくる名詞をセットで覚えるだけで、毎日のさまざまな行動を英語でパッと言えるようになるのが嬉しいポイントですね。
- make a friend → 友達を作る
- “It is easy to make a friend at the park.” → 公園で友達を作るのはとっても簡単ですよ。
- “She wants to make new friends at school.” → 彼女は学校で新しいお友達を作りたいと思っています。
- make a plan → 計画を立てる
- “Let’s make a plan for the weekend.” → 週末のお出かけの計画を立てましょうか。
- “We made a plan to build a treehouse.” → 私たちはツリーハウスを作る計画を立てました。
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
in a world of possibilities today, what will you make?
可能性に満ちた今日という世界で、君は何を作る?
Make it balance, wobble, fall.
バランスをとって、ぐらついて、倒してしまおう。
a universe inside your head.
頭の中に宇宙を作り出すのもいい。
Ears make out another sound.
耳をすませば、別の音が聞こえてくる。
See what’s making all that noise.
その音の正体を取り突き止めよう。
Cover desk and wall and floor.
机も壁も床もいっぱいにしよう。
Make a spaceship.
take a ride.
宇宙船を作って、
乗り込もう。
on the way you make a friend.
その途中で友達ができるよ。
Make enough for both to share.
ふたりで分け合えるくらい、たくさん作ろう。
Have your neighbors make a line.
近所の人たちで列を作ってもらおう。
Make a smile from lemonade.
レモネードで笑顔を作ろう。
Make a floor, a wall, a door.
床を作って、壁を作って、ドアを作ろう。
Make your town a team tonight.
今夜、街をひとつのチームにしよう。
In a day of making choices,
are you proud of what you made?
選択を重ねた今日という一日で、
自分が作り上げたものを誇りに思えるかい?
まとめ
『Be A Maker』は、ただの手工芸や工作を楽しむにとどまらず、「自分には自分の手で周りを笑顔にしたり世界を良くしたりする力がある」という自負や自己肯定感を優しく育んでくれる一冊です。
「make」という馴染み深い言葉のあたたかな深みに触れながら、ご家庭で「今日はどんな素敵なものを作ってみようか?」とお話を咲かせてみるのも楽しい時間になりますね。ぜひお子様と一緒にページをめくって、生き生きとした言葉のリズムとメッセージを味わってみてはいかがでしょうか。