2024年コールデコット賞受賞作品!「Big」

2024年コールデコット賞受賞作品!「Big」:大きな心を持つあなたへ

「あなたは大きすぎる」- 幼い頃に言われた何気ない言葉が、心に深く根を下ろしてしまうことがあります。

2024年コールデコット賞を受賞した絵本「Big」は、そんな経験を通して自分らしさを見つけていく女の子の心の旅を、繊細な絵と文章で描いた感動的な物語です。

ここでは「Big」の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。

お話のあらすじ

幼い頃から「大きな女の子ね」と褒められて育った女の子。しかし、成長するにつれて、その言葉はいつしか彼女を苦しめるようになります。「大きすぎる」という周囲の声に、彼女は自分の居場所を見失い、自信を失っていきます。繊細なタッチで描かれる絵は、彼女の心の揺れ動きを鮮やかに映し出し、読者もまた彼女の心の旅に寄り添うことになります。

英語学習のポイント

It was good… Until it wasn’t.
これは、「最初は良かったんだけど… ある時からそうじゃなくなったんだ」という意味を表す表現です。
状況が変化したことを示唆する際に使われます。
例文:
I used to love playing the piano. It was good… Until it wasn’t. Practice became a chore, and I stopped enjoying it.

Don’t you think you’re too big for that?
これは、「あなたにはそれが似合わない/幼稚すぎると思わない?」という意味合いで、相手を非難するニュアンスを含むことがあります。
例文:
Don’t you think you’re too big to be asking for your mom’s help with your homework?

読み聞かせ動画のご紹介

日本語訳

Once there was a girl with a big laugh and a big heart and very big dreams.
昔、大きな笑い声と大きな心、そしてとても大きな夢を持った女の子がいました。

 

She learned her ABCs and one 123s.
彼女はアルファベットと一、二、三を学びました。

She always said please and thank you and even put away all her toys.
彼女はいつも「お願いします」と「ありがとう」と言い、さらにはおもちゃを片付けました。

 

At dinner she ate all her food.
夕食では彼女はすべての食べ物を食べました。

“What a big girl you are,” the adults would say.
「なんて大きな女の子なんだろう」と大人たちは言いました。

And it was good.
そして、それは良かったのです。

 

She grew and learned and laughed and dreamed
彼女は成長し、学び、笑い、そして夢を見ていた

and grew and grew and grew.
そしてどんどん成長しました。

And it was good…
そして、それは良かったのです…

 

Until it wasn’t.
良くなくなるまでは。

“You’re a big girl aren’t you?”
「あなたは大きな女の子ですよね?」

 

One day something big happened.
ある日、大きなことが起こりました。

“Oh no, help!”
「おお、助けて!」

“Don’t you think you’re too big for that?”
「それには大きすぎると思わない?」

It made her feel small.
それが彼女を小さく感じさせました。

 

The words stung and were hard to shake off.
言葉は刺さり、振り払うのが難しかったのです。

 

She began to feel not herself,
彼女は自分らしくなく感じ始めました、

out of place, exposed, judged
場違いで、さらされて、評価される感じがして

yet invisible.
でも見えなくなっていました。

 

Everyone had advice.
誰もがアドバイスをしました。

“Hm, that’s no good,
「うーん、それは良くない、

try this instead.”
代わりにこれを試してみて。」

But that kind of hurt too.
でも、それもまた痛かったのです。

 

“This is perfect for you.”
「これはあなたにぴったりです。」

 

“The flower costume won’t fit, you’re just too big!”
「その花のコスチュームは合わないよ、君はただ大きすぎるんだ!」

“Where are you going?”
「どこへ行くの?」

“What did I say?”
「何を言った?」

 

“Aren’t you too big to be crying?”
「泣くには大きすぎるんじゃない?」

“Have you tried being smaller?”
「もっと小さくなろうと試みたことある?」

“Why can’t you just fit in?”
「なぜうまく調和できないの?」

 

One day she finally let it all out…
ある日、彼女はとうとうすべてを解放しました…

and started to see things more clearly.
そして物事がより明確に見え始めました。

 

She decided to make more space for herself…
彼女は自分にもっとスペースを作ることに決めました…

and was able to see a way out.
そして出口が見えるようになりました。

 

“These are yours, they hurt me.”
「これらはあなたのもので、それが私を傷つけました。」

Not everyone understood or even listened.
全員が理解したわけでも、聞いたわけでもありませんでした。

“It’s just a joke,”
「ただの冗談だよ」

“it’s not that serious.”
「そんなに深刻なことじゃない。」

“You’re too sensitive.”
「君は敏感すぎるよ。」

Some tried…
いくつかの人は試みました…

“I didn’t mean to hurt you.”
「傷つけるつもりはなかったんだ。」

 

But they still couldn’t see
でも彼らには依然として見えませんでした

that she was just a girl.
彼女がただの女の子であることが。

“I can help you change if you want.”
「もし望むなら、君を変える手助けをするよ。」

“No thank you, I like the way I am.”
「いいえ、ありがとう、私は自分が好きです。」

 

And she was good.
そして、彼女は良かったのです。



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