英語絵本「The Musem」

英語絵本『The Museum』|美術館の楽しみ方が変わる魔法の一冊【読み聞かせ】

こんにちは!

突然ですが、美術館って、好きですか?
なんだか静かにしていないといけないし、絵のこともよく知らないし…子どもと一緒だと、どう楽しんだらいいか分からなくて、ちょっと足が遠のいてしまう、なんてこと、ありませんか?

「この絵は、こういうところが素晴らしいんですよ」なんて解説を聞いても、いまいちピンとこなかったり。

でも、もし美術館が、知識を試す場所じゃなくて、心を自由に解き放つための最高の遊び場だとしたら…?
今回は、そんなアートの新しい楽しみ方を教えてくれる、とってもカラフルでハッピーな英語絵本『The Museum』をご紹介したいと思います。

ここでは『The Museum』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。

お話のあらすじ

美術館にやってきた、一人の女の子。
彼女は、芸術作品を前にすると、心の中で何かが起こり、じっとしていられなくなってしまうのです!

ある絵の前では、バレリーナのようにつま先立ちでクルクル回りたくなり、またある絵の前では、理由もなく悲しくて、しょんぼりした気持ちに。

お腹がグーッとなってしまう美味しそうな絵もあれば、思わず変な顔をしてしまう、ちょっぴり怖い絵もあります。

一枚一枚の絵に、まるでジェットコースターのように心を揺さぶられ、全身でアートを楽しむ女の子。
そんな彼女が最後にたどり着いたのは、なんと、何も描かれていない、真っ白なキャンバスの前でした。

この「からっぽの絵」を見て、彼女の心と体は、一体どんな反応を見せるのでしょうか?

この絵本がそっと教えてくれること

アート鑑賞というと、私たちはつい「作者の名前や時代背景を知らないと楽しめないんじゃないか」とか、「何か高尚な感想を言わなきゃいけないんじゃないか」なんて、身構えてしまいがちですよね。

でも、この絵本の女の子は、そんなことお構いなし。
絵を見て、踊りたくなったら踊るし、悲しくなったら悲しい顔をする。思ったこと、感じたことを、全身で表現します。
その姿を見ていると、「ああ、アートって、こんなに自由に楽しんでいいんだ!」と、心がふっと軽くなるような気がします。

この絵本のクライマックスは、何と言っても「空のキャンバス」のシーンです。
最初は何を意味するのか分からず戸惑う彼女ですが、目を閉じると、頭の中に色や形、たくさんのイメージが浮かんできます。そして目を開けた時、その真っ白なキャンバスは、もはや「からっぽ」ではありませんでした。

それは、「あなた自身の想像力で、自由に埋めていいんだよ」という、最高の贈り物。
アートは、有名な芸術家が完成させるものだけじゃない。鑑賞する一人ひとりの心の中で、その人だけの作品として、新しく生まれ変わるのかもしれませんね。

英語学習のポイント

この絵本は、アートを見て心が動く様子を、生き生きとした感情表現で伝えてくれます。今回は、日常会話でもすぐに使える便利なフレーズを2つご紹介します。

I can’t wait to …

「(〜するのが)待ちきれない!」と、ワクワクする気持ちを表すのに最適なフレーズです。what’s next(次のこと)だけでなく、色々な言葉を後ろに続けて使えます。

例文:
I can’t wait to see you this weekend! (週末に君に会えるのが待ちきれないよ!)
The kids can’t wait to open their Christmas presents. (子どもたちはクリスマスプレゼントを開けるのが待ちきれない様子です。)

collapse in fits of giggles

直訳すると「くすくす笑いの発作で倒れ込む」という面白い表現ですが、これは「笑い転げる」「笑いが止まらなくなる」という意味で使われます。giggle は「クスクス笑う」という可愛らしい笑い方です。

例文:
The cartoon was so funny, the children collapsed in fits of giggles. (そのアニメはとても面白く、子どもたちは笑い転げていました。)
Every time he tried to tell the story, he collapsed in a fit of giggles. (彼はその話をしようとするたびに、笑いがこみ上げてきてしまいました。)

読み聞かせ動画のご紹介

日本語訳

When I see a work art, something happens in my heart.
私が芸術作品を見るとき、私の心の中に何かが生じます。

I cannot stifle my reaction.
私は自分の反応を抑えることができません。

My body just goes into action.
私の身体はつい動き始める

 

This one makes me want to pose stand up on my tippy-toes.
このことは私をつま先立ちの姿勢で立たせたくさせます。

Now I’m all twirly-whirly,
いま、わたしはクルクルまわる

twinkly, sparkly, super swirly.
微笑みながら、キラキラと、大きく回る

 

Whew! Exhausted.
フーッ! へとへとになった。

I take a breath.
私は一息つく。

I can’t wait to see what’s next.
私は次が何か待ちきれない。

 

Hmm.. I think I’ll analyze
うーん、私は分析しているのだと思う

the whos and whats and wheres and whys.
「誰」と「何」と「どこ」と「なぜ」

 

I’m starting to feel so sad and blue –
私は、とても悲しくてしょげていると感じます。

heavy, lonely, through and through.
重く、孤独で、まったくもって。

 

I think I need something to eat.
私は食べるものが必要だと思う。

Those apples would be such a treat.
これらのリンゴは実に素晴らしいご馳走。

 

I’m skipping through a field of flowers.
私は花のフィールドをスキップしています。

I could keep this up for hours.
私はこれを何時間も保つことができた。

Fragrant, soft, and so delightful.
かおりの良い、やわらかい、そしてとても楽しい

 

Suddenly, it’s all so frightful!
突然、それはとても恐ろしいことです!

I make silly faces at that guy.
私はその男の所で馬鹿な顔をします。

He did it first!
彼はそれを最初にやった!

I do not lie!
私は嘘をつきません!

 

I’m giddy from all these lines and squiggles.
私は、すべてのこれらの線とくねった線にめまいがします。

I collapse in fits of giggles.
私は、くすくす笑いに卒倒します。

 

Wait!
待って!

What’s this I see?
私に見えてるこれは何?

 

An empty canvas stares at me.
空のキャンバスは、私をじっと見つめます。

 

Where’s the color?
色はどこですか?

What does it mean?
どういう意味ですか?

It’s the strangest art
それは奇妙な芸術です

I’ve ever seen.
私が今まで見てきた中で。

 

Is this a joke?
これは冗談?

I shut my eyes,
私は目を閉じる

and something happens,
そして何かが起こる、

to my surprise.
私の驚くことが。

 

I starts seeing things in my head,
私は頭の中で物事を見始める、

yellow, blue, then green and red,
黄色、青色、次いで緑色と赤色、

circles, lines, all kinds of shapes,
円、線、あらゆる種類の図形、

faces, flowers, and landscapes.
顔、花、風景などがあります。

 

I open my eyes and look once more at the canvas I saw before..
私は目を開き、そしてもう一度前に見たキャンパスを見ます。

 

It’s mine to fill the way I choose,
私自身が選んでいっぱいに満たします。

a purple dot, a pair of shoes,
むらさきの点、ペアのシューズ、

zigzag lines, a deep blue sea, a portrait of my mom and me.
ジグザグの線、深く青い海、私のおかあさんと私の肖像。

No longer blank,
もはや空白でない、

it’s my creation..
それは、私の作品です..

I’m feeling such elation!
私はそんな喜びを感じている!

 

What a glorious time
なんと素晴らしい時間だろう

I’ve had- I’ve been scared, silly, mad, and glad.
そうであった..私は怖がって、愚かで、狂っていて、うれしかったです。

I’m energized from head to toe.
私は頭からつま先まで励まされます。

Even when it’s time to go.
行く時間になっても。

 

The museum’s closed for the night,
博物館は夜になり閉まった。

but I know that it’s alright.
しかし私はそれが大丈夫だと分かっています。

 

Its rhythm exists in all I see.
そのリズムは、私が見るすべてに存在します。

The museum lives inside of me.
博物館は私の中に住んでいます。

 

最後に:日常に隠れた「美術館」

というわけで、今回は絵本『The Museum』をご紹介しました。

この絵本を読むと、美術館は知識を試される場所ではなく、自分の心を思いっきり遊ばせるための、最高のプレイグラウンドだと思えてきます。

物語の最後、女の子はこう感じます。「The museum lives inside of me.(美術館は私の中に住んでいる)」。
道端に咲く一輪の花、不思議な形をした雲、夕焼けの空の色…。私たちの周りには、心を動かしてくれる「アート」が、実はたくさん隠れているのかもしれません。

そんな自分だけの「美術館」を見つけに、お子さんと一緒に、あたりをキョロキョロしながらお散歩してみるのも楽しそうですね。