こんにちは!
皆さん、お子さんのおもちゃの取り合いに、頭を悩ませた経験はありませんか?「貸してあげようね」「みんなで使おうね」と声をかけても、なかなかうまくいかないこと、ありますよね。
特に「これは僕の!」「絶対に渡さない!」と頑なになってしまうと、親としてはどうしたものかと困ってしまうものです。
そんな時、クスッと笑いながら「分け合うこと」について親子で考えるきっかけをくれる、とってもユーモラスな英語絵本があるんです。今日は、そんな一冊、『Pig the Pug』をご紹介したいと思います。
ここでは『Pig the Pug』の簡単なあらすじの他、文中に出てくる日常の英語表現、おすすめの読み聞かせ動画のご紹介や日本語訳などを掲載しています。
お話のあらすじ
主人公は、パグ犬のピグ。このピグ、残念ながら(ごめんね、ピグ!)、とっても欲張りでワガママなんです。
彼はダックスフントのトレバーと一緒に暮らしているのですが、トレバーに親切にすることなんて、まあ、ありません。
心優しいトレバーが「そのおもちゃ、いいね!一緒に遊ばない?」と誘っても、ピグは「これは僕のだ!あっち行け!」と唸るばかり。
「二人で遊んだらもっと楽しいと思うんだけどなあ」とトレバーが言うと、ピグはもうカンカン!
「ダメだ、これは僕のだ!聞こえないのか?僕だけのものだぞ!その汚い足で触るな、このソーセージみたいなブタめ!」なんてひどい言葉を浴びせます。
そして、自分の宝物のおもちゃをぜーんぶ集めて、大きな大きな山を作り上げ、そのてっぺんから得意げに叫びます。
「どうだ!これなら僕のお宝に手出しできないだろ!全部僕のだ、僕の、僕の、僕のー!だから、さっさとあっちへ行ったらどうだい?!」
ところが、その瞬間…!トレバーが見たものは、グラグラと揺れるおもちゃの山。
「危ない、ピグ!」とトレバーは叫びますが、時すでに遅し…。
まあ、なんというか、パグは空を飛べませんからね。
さて、この出来事の後、ピグとトレバーの関係はどうなったのでしょうか?
欲張りだったピグに、何か心境の変化はあったのでしょうか…?それは、読んでからのお楽しみです。
英語学習のポイント
この絵本、実は英語の表現も面白いものがたくさん出てくるんですよ。
今回は、その中から特に日常会話でも使えそうなフレーズを2つピックアップしてご紹介しますね。
flip one’s wig
これをものすごくざっくりいうと、「(突然)かんかんに怒る」「頭にくる」という意味です。
絵本の中では、トレバーに「一緒に遊ぼう」と言われたピグが、”Well, Pig flipped his wig.”(さて、ブタはカンカンに怒った)と使われています。
突然カッとなる様子が目に浮かぶような表現ですよね。
例えば、「彼はその知らせを聞いて、めちゃくちゃ怒ってたよ」と言いたい時に、”He really flipped his wig when he heard the news.” のように使えます。
Why don’t you ~?
こちらは「~したらどう?」と相手に何かを提案したり、勧めたりする時の表現です。
絵本の中では、ピグがトレバーに対して “So why don’t you scoot?!”(それで、走り去ったらどう?!)と言っています。これは「とっととあっちへ行けよ!」という、ちょっと意地悪なニュアンスで使われていますね。
もちろん、普段はもっと優しい提案で使いますよ。
例えば、「ちょっと休憩したらどう?」と気遣う時には “Why don’t you take a little break?” なんて言えます。とっても便利なフレーズです。
読み聞かせ動画のご紹介
日本語訳
Pig was a Pug and I’m sorry to say,
ブタはパグでした、そしてあやまります。
he was greedy and selfish in most every way.
彼はほとんどすべての点で貪欲で利己的だった。
He lived in a flat with a sausage dog,Trevor.
彼はソーセージ犬(ダックスフント)、トレバーと一緒に平らに住んでいた。
But when was he nice to him?
しかし、いつ彼は彼に親切でしたか?
I’ll tell you never.
私はあなたに決して伝えません。
“You’ve got some great toys there,?
「そこにすごいおもちゃがある?」
poor Trevor would say.
かわいそうなトレバーは言うだろう。
But Pig would just grumble.
しかし、ブタはちょうど不平を言うでしょう。
“They’re mine! Go away!”
「これらは私のモノ!あっちいけ!」
“But it might be more fun,” said Trevor to Pig.
「しかしそれはもっと楽しいかもしれない」とトレバーはブタに語った。
“if we both played together…”
「もし一緒に遊んでいたら…」
Well, Pig flipped his wig.
さて、ブタはカンカンに怒った。
“No, they are mine!
「いいえ、あれは私のものです!
Are you deaf? Only mine!
あなたは耳が聞こえない? 私にだけ!
You keep your paws off them,
あなたはそれらから足を離しなさい、
you sausage-shaped swine!
あなたはソーセージの形をした豚!
I know what your game is,
私はあなたのゲームが何であるか知っています、
you want me to share!
あなたは私と共有したい!
But I’ll never do that!
しかし、私はそれを決してしません!
I won’t and I swear!”
私はしないし、私は誓う!
And with that, he proceeded to gather his stuff
それで、彼は自分のものを集めるようになりました
and make a big pile, with a huff and a puff.
そして、息を切らして怒りながら大きな山を作ります。
And once he had gathered them up in a pile,
そして、一度彼はそれらを積み重ねてまとめると、
he howled from the top with a satisfied smile.
彼は満足した笑顔で上から声をあげた。
“There!” shouted Pig.
「そら!」 豚は叫んだ。
“Now you won’t get my loot!
「今、あなたは私の戦利品を手に入れません!」
It’s mine! mine! mine! mine!
それは私のモノ!私の!私の!
So why don’t you scoot?!”
それで、走り去ったらどう?!」
But just at that moment poor Trevor did see, the pile was wobbling.
しかし、貧弱なトレバーが見たその瞬間に、山が揺れました。
Oh dear me.
ああ、あらまあ
“Watch out up there!” good Trevor did cry.
「そこに注意してください!」 良いトレバーは叫んだ。
But the shame of it was…
しかし残念なそれは、
Well, pigs cannot fly.
えーっ、ブタは飛べない。
These days it’s different, I’m happy to say .
いつもとは違って、今日は幸せと言いたい。
It’s so very different in most every way.
それはどの点からみても非常に違って見えます。
Yes, Pig shares his toys now,
はい、豚は彼のおもちゃを共有しています。
and Trevor’s his friend.
そして、トレバーは彼の友達。
And they both play together…
そして彼らは一緒に遊ぶ…
..while Pig’s on the mend.
ブタが快方に向かう間。。
最後に:笑いの中で見つける、大切なこと
というわけで、今回は英語絵本『Pig the Pug』をご紹介しました。
おもちゃの取り合いは、子育て中のパパママにとっては日常茶飯事かもしれません。本当に、毎日お疲れさまです。
でも、そんな時こそ、この絵本を開いて、親子で大笑いしながら「分け合うって、どういうことかな?」と一緒に考えてみるのも、一つの素敵な方法かもしれませんね。
ピグのちょっと憎めないキャラクターが、子どもたちの心に、何か新しい風を吹き込んでくれるかもしれません。そして、そんな小さな発見が、子どもの大きな成長に繋がっていくこともあるんじゃないかな、なんて思ったりするのです。