クリスマスが近づくと、ツリーを飾ったり、プレゼントの話をしたり、子どもたちの気持ちも少しずつ盛り上がってきます。そんなクリスマスを待つ時間に、英語絵本を一冊加えてみるのも楽しいものです。
サンタやトナカイ、雪、プレゼント。知っているクリスマスの世界が英語で登場する絵本なら、「次はどうなるの?」と物語を楽しみながら、自然に英語の音にも触れられます。
でも、もしもクリスマスの直前に、サンタさんが病気になってしまったら……。楽しみに待っている子どもたちへのプレゼントは、いったいどうなるのでしょう。
そこでサンタが助けを求めたのが、小さなねこのピートです。『Pete the Cat Saves Christmas』は、大仕事に挑むピートの冒険を、軽快な言葉のリズムや歌と一緒に楽しめるクリスマスの英語絵本です。
「小さくても、自分にできることを精いっぱいやってみる」。ピートらしい前向きさを楽しみながら、親子のクリスマス気分も盛り上げてくれる一冊です。
絵本の基本情報
| タイトル | Pete the Cat Saves Christmas |
|---|---|
| 文 | Eric Litwin |
| 絵 | James Dean |
| シリーズ | Pete the Cat |
『Pete the Cat Saves Christmas』はどんなお話?
タイトルは「ねこのピートがクリスマスを救う」という意味。クリスマスを目前にして、サンタさんが病気になってしまうところから物語が始まります。
プレゼントを待っている子どもたちはたくさんいます。でも、サンタさんはいつものようにプレゼントを届けることができません。
そこで助けを求めたのが、ねこのピート。
ピートは突然頼まれた大仕事にもひるまず、サンタの代役を引き受けます。プレゼントを積み込み、トナカイたちと一緒に出発。届けなければならない家はたくさんあり、ピートの体は小さいけれど、ひとつずつプレゼントを届けていきます。
この物語で心に残るのは、「小さいから無理」と最初から決めつけないピートの姿です。
できるかどうかをずっと心配するより、まず自分にできることをやってみる。いつものピートらしい前向きさが、クリスマスのお話の中でもしっかり描かれています。
クリスマスの定番のお話を、ピートらしく
『Pete the Cat Saves Christmas』は、英語圏で長く親しまれているクリスマスのお話『The Night Before Christmas』を思わせる言葉のリズムで進んでいきます。
サンタやトナカイ、プレゼントといったおなじみのクリスマスの世界に、青いねこのピートが飛び込んでいくのがおもしろいところです。
昔ながらのクリスマスのお話に、歌やユーモア、そしてピートらしい「大丈夫、やってみよう」という雰囲気が加わり、声に出して楽しみたくなる一冊になっています。
クリスマスまでの時期に何度か繰り返して読むのもおすすめです。最初は物語を楽しみ、次は歌や繰り返しに耳を傾けるなど、読むたびに違った楽しみ方ができます。
ピートの言葉で楽しむ英語
この絵本には、ピートの性格が伝わってくる短い英語や、声に出したくなるフレーズが登場します。
すべてを日本語に訳しながら読む必要はありません。短い言葉や繰り返しから、ピートの気持ちを感じ取ってみましょう。
“I’ll do it!” ―「ぼくがやるよ」
サンタの頼みに応えるピートの短い一言です。
I’ll は I will を縮めた形。ここでは「ぼくがやるよ」「ぼくが引き受けるよ」という、自分から行動しようとする気持ちが伝わります。
do it は「それをする」。難しい仕事を前にした場面なので、短い言葉でもピートの前向きさがよく伝わります。
日常でも、何かを頼まれて「私がやるよ」と言うときに使えるシンプルな表現です。
“give it my all” ― 力を尽くす
although I am small は「ぼくは小さいけれど」。
give it my all は、文字どおりに「自分の全部をあげる」という意味ではなく、「全力を尽くす」「持てる力を精いっぱい出す」という表現です。
give it one’s all で「全力を尽くす」という意味になります。my の部分を変えて、give it your all なら「全力でやってみて」といった意味でも使えます。
ここでピートは、「絶対にうまくできる」と言っているわけではありません。
自分が小さいことはちゃんと分かっている。それでも、自分にできることを精いっぱいやってみる。その気持ちを表しているのが、この give it my all という言葉です。
歌と韻を楽しむ読み聞かせ
『Pete the Cat Saves Christmas』の大きな魅力のひとつが、声に出したときの英語のリズムです。
たとえば、こんなふうに語尾の音が似ている言葉が登場します。
- ill / chill
- that / cat
- small / all
このように似た音を響かせることを「韻(rhyme)」といいます。
英語の意味がまだよく分からない子でも、音なら楽しめます。「今の二つ、最後の音が似ていたね」と声をかけてみるだけでも十分です。
慣れてきたら、small と聞こえたあとに all を一緒に言ってみるなど、音遊びのように楽しんでみてもいいですね。
繰り返される歌の部分も、この絵本のお楽しみ。最初は聞いているだけだった子も、何度か読むうちに耳に残ったところを一緒に口ずさめるようになります。
クリスマスソングを歌うような気分で、正しい発音にこだわりすぎず、リズムに乗って声を出してみてください。
『Pete the Cat Saves Christmas』の読み聞かせ動画
読み聞かせ動画では、物語と一緒に英語のリズムや歌を楽しめます。
最初は絵を見ながらお話を聞くだけでも大丈夫。二度目は知っている単語を探したり、繰り返しの部分だけ一緒に声を出したりすると、また違った楽しみ方ができます。
絵本を持っている場合は、ページをめくりながら動画の音声を聞いてみるのもおすすめです。
クリスマスにピートから伝わる「give」の気持ち
クリスマスというと、子どもにとっては「プレゼントをもらえる日」という楽しみが大きいものです。
でも、この絵本ではピートが誰かのために動きます。
特別な力があるわけでも、大きな体をしているわけでもありません。それでも、自分にできることを精いっぱいやって、プレゼントを待つ子どもたちのために走り続けます。
読み終えたあとに、「ピートはどうしてサンタさんを助けたのかな?」「誰かのためにできることって、どんなことがあるかな?」と話してみるのもいいですね。
大きなことをしなくても、家族のお手伝いをしたり、友だちにやさしい言葉をかけたりすることも「誰かのためにできること」のひとつ。
プレゼントを「もらう」楽しみだけでなく、誰かに何かを「giveする」楽しさにも、少し目を向けられるクリスマス絵本です。
クリスマスまで、何度も楽しみたい一冊
クリスマス絵本は、クリスマス当日に一度読むだけでなく、12月の楽しみのひとつとして繰り返し読むのもおすすめです。
ツリーを飾った日に読んだり、クリスマスソングを聞いたあとに開いたり、寝る前の一冊にしたり。少しずつクリスマスが近づく時間と一緒に楽しめます。
最初は物語だけを楽しんでいた子が、何度か読むうちに歌を覚えたり、small / all のような音のつながりに気づいたりすることもあります。
「英語を勉強しよう」と構えなくても大丈夫。お気に入りのクリスマス絵本を繰り返し楽しむ中で、英語の音が自然と耳になじんでいきます。
ねこのピートのほかの作品を探すなら、Pete the Cat英語絵本おすすめガイドもどうぞ。
まとめ
『Pete the Cat Saves Christmas』は、病気のサンタに代わってプレゼントを届けるピートの冒険を、歌と英語のリズムと一緒に楽しめるクリスマス絵本です。
give it my all という言葉に表れているように、「小さくても、自分にできることを精いっぱいやってみる」というピートらしい前向きさも、この作品の大きな魅力です。
物語を楽しむ、韻を探す、歌を一緒に口ずさむ。読むたびに楽しみ方を増やしながら、クリスマスを待つ時間に親子で何度も開きたい一冊です。