フォニックスには、文字と音の関係を学ぶためのいくつかの教え方があります。
そのひとつがシンセティック・フォニックス(Synthetic Phonics)です。
名前だけ見ると、ちょっと難しそうですよね。
でも考え方はわりとシンプルです。
まず文字や文字の組み合わせが表す音を覚える。
そして、
c → a → t
と1音ずつ確認したあと、その音をつなげてcatと読む。
この「音をつなげる」考え方が、シンセティック・フォニックスの大きな特徴です。
シンセティック・フォニックスとは?
シンセティック・フォニックスでは、文字や文字の組み合わせと音の対応を、順序立てて学んでいきます。
覚えた音を左からつなげて単語を読むことを、blending(ブレンディング)といいます。
たとえば、
c + a + t → cat
s + a + t → sat
p + i + n → pin
のような流れです。
「単語を見て丸ごと覚える」というより、まず音に分けて見て、それをつなぎ直して読む。
ここが分かると、初めて見る短い単語にも挑戦しやすくなります。
イングランドの初期読解指導でも、Systematic Synthetic Phonicsでは、文字と音の対応を段階的に学び、音を左からつないで単語を読むことが重視されています。

読むときはblending、書くときはsegmenting
シンセティック・フォニックスでは、読むだけでなく、逆方向の練習もあります。
blending は、音をつなげて単語を読むこと。
反対に、聞こえた単語を1音ずつに分けることをsegmenting(セグメンティング)といいます。
たとえばcatを聞いて、
c / a / t
と音を分け、それぞれに対応する文字を考える。
読むときと書くときで、行ったり来たりするイメージです。
Analytic Phonicsとは何が違う?
フォニックスには、Analytic Phonics(アナリティック・フォニックス)と呼ばれる教え方もあります。
こちらは、すでに知っている単語を手がかりにして、文字と音のパターンを見つけていく方法です。
たとえばcatやhatを知っていたら、
「どちらにもatがあるね」
と共通点を見つけて、batやmatのような別の単語へ広げていきます。
一方のSynthetic Phonicsは、
文字と音を覚える → 1音ずつ出す → 音をつなげる
という流れから単語へ進みます。
| Synthetic Phonics | Analytic Phonics | |
|---|---|---|
| スタート | 文字と音 | 知っている単語 |
| 読み方 | 音を順番につなぐ | 単語の共通パターンを探す |
| 例 | c + a + t → cat | cat / hat → bat / mat |
どちらかが「ネイティブ用」、もう一方が「日本人用」という分け方ではありません。
また、Synthetic Phonicsだから必ずすべての子に合う、とも言い切れません。
違いは、どこから文字と音の関係を見つけていくかにあります。

うちの子の授業でも、音からつなげていました
うちの子が通っていたネイティブの先生の授業でも、文字が表す音を確認してから、それをつなげて単語を読む練習が取り入れられていました。
当時は「シンセティック・フォニックスだから」と細かく意識して見ていたわけではありません。
ただ、1文字ずつの音を確認して、少しずつつなげていく。
その流れは、子どもが知らない単語を読むときにも使いやすそうだな、と感じたのを覚えています。
最初からたくさんの英単語を知っていなくても、覚えた音を使って次の単語へ進める。
この「自分で音を組み立ててみる」ところは、シンセティック・フォニックスの面白いところです。
Jolly Phonicsは代表的なSynthetic Phonicsのひとつ
シンセティック・フォニックスを調べていると、よく出てくるのがJolly Phonics(ジョリー・フォニックス)です。
Jolly Phonicsは、Systematic Synthetic Phonicsの考え方を使った学習プログラムのひとつ。
現在は、文字や文字の組み合わせに対応する42の主要な音を、歌や動き、ストーリーなども使いながら学んでいきます。
42音を覚えることだけが目的ではなく、
- 文字と音を結びつける
- 音をつなげて読む
- 単語を音に分けて書く
といった練習へ進んでいきます。
まずは42の音を聞いてみよう
こちらの動画では、Jolly Phonicsで扱う基本的な音をまとめて確認できます。
アルファベット26文字だけではなく、sh・ch・th・aiなど、2文字で表す音も含まれているのがポイントです。
全部を一度に覚えようとしなくても大丈夫。
最初は「アルファベットの名前とは違う音があるんだ」と聞いてみるくらいでも十分です。
覚えた音をつなげて読んでみよう
42の音を眺めるだけだと、シンセティック・フォニックスの特徴は少し分かりにくいかもしれません。
そこで次に見てほしいのが、blendingの実演です。
Jolly Phonicsでは最初のグループとして、
s / a / t / i / p / n
などの音を学びます。
この組み合わせだと、早い段階からsat、sit、pinなどの短い単語を作れるんですね。
こちらの動画では、その音を実際にどうつなげて読むのかを見ることができます。
文字を1つずつ読んで終わりではなく、最後に音を近づけてひとつの単語にする。
この動きまで見ると、「synthetic=合成する」という名前も少しイメージしやすくなります。
フォニックスの音に「日本語の母音」を足しすぎない
子どもと一緒に練習するときに、ひとつ気をつけたいところがあります。
たとえばsの音を、日本語の「スー」のように覚えてしまうと、音をつなげたときに余分な母音まで入りやすくなります。
フォニックスでは、できるだけその子音の音だけを聞いてまねします。
ここは文章で説明するより、動画の音をそのまま聞くほうが分かりやすいところです。
発音を完璧にしてから次へ進む必要はありません。
まずは、
音を聞く → まねする → つなげてみる
この流れを楽しんでみてください。
Jolly PhonicsだけがSynthetic Phonicsではない
ここも少し整理しておきたいところです。
Jolly Phonics=Synthetic Phonicsそのものではありません。
Synthetic Phonicsという読み方の教え方があり、Jolly Phonicsはそれを体系的に学べるプログラムのひとつです。
教材によって、音を教える順番やキャラクター、歌、ジェスチャーなどは違います。
なので家庭でフォニックスを始めるときも、必ずJolly Phonicsを使わなければいけないわけではありません。
大切なのは、
文字と音を結びつけ、それを実際の単語の読み書きにつなげていくこと。
ここを押さえておけば、動画や教材を選ぶときにも迷いにくくなります。
まとめ
シンセティック・フォニックス(Synthetic Phonics)は、文字や文字の組み合わせが表す音を学び、その音をつなげて単語を読む方法です。
たとえば、
c + a + t → cat
のように1音ずつ確認し、最後にひとつの単語として読む。
このblendingが大きなポイントです。
Analytic Phonicsとはスタートの仕方が少し違いますが、どちらかを「ネイティブ用」「日本人用」と単純に分けるものではありません。
また、Jolly PhonicsはSynthetic Phonicsを使った代表的なプログラムのひとつです。
まずは動画で音を聞いて、短い単語をひとつつなげてみる。
「読めた」がひとつ増えると、次の単語も試してみたくなります。
フォニックス全体をどんな順番で学ぶか知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
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